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長野県小諸市にある氷(こおり)集落に入る道路脇に、りっぱな石標が建っています。
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豊かな木々に囲まれた氷集落、畑にはソバや野沢菜などが収穫を待っています。
“氷”の名の由来は、弘法大師に賜った氷と風穴からとの言い伝えがあるそうです。
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その氷に9月3日、全国風穴(ふうけつ)サミットの一行がやってきました。
普段は静まりかえっている一帯ですが、この日は、風穴ファンで大賑わいでした。
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りっぱな案内板が設置され、氷風穴が紹介されております。
自然から授かった風穴は氷の宝として大活躍し、さぞかし一帯を繁栄させたことでしょう。
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案内板の写真は、蚕種(さんしゅ:カイコの卵)を扱う明治期の様子です。
蚕の休眠卵の孵化は気温の上がる春、その幼虫を桑で飼い、繭を産出して絹を得ます。
春は桑が霜害を受けるなどから、春以外にも計画的な養蚕が望まれていました。
そこで考えられたのが、自然の冷蔵庫である風穴を利用した蚕種の貯蔵です。
これにより、養蚕農家が必要とする時期に出荷ができるようになったそうです。
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サミット一行が覗くのは、石垣のみが残された、深さ5.4mほどの1号風穴です。
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氷風穴は、1万年ほど前の地滑り地に形成されたものだと考えられているそうです。
崩れた石が積み重なった地形は風の通り道となり、冷気が下方に送られるのだとか。
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その涼しさを体験できる5号風穴に案内していただきました。
温湿度計があり、入口の【1】は、温度が22℃、湿度が23%でした。
石組みの中に入った【2】は、9℃の62%、爽快!「涼しー」の歓声が上がります。
そして、さらに下がった屋根付きの小屋に入ると「オー寒むー」、【3】は3℃の84%です。
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切り花用のキクが貯蔵されていましたが、2~3週間は鮮度が保たれるそうです。
風穴は、湿度は高いものの常に空気が流れており、カビの発生がないということです。
現役の4号風穴に貯蔵されている3年物の奈良漬けが披露され、ユダレものでした。
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サミットの賑わいは終わり、枯葉の積もる晩秋を迎えた氷風穴です。
保存会による当地のカイドは、料金が3000円で事前申込(TEL:0267-23-0397)です。