そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





1980年に日本で公開された「地獄の黙示録」。
ゴッドファーザー1と2で二度のアカデミー作品賞を獲ったコッポラが作る戦争映画ということで当時凄く話題になったが、ロケ地のフィリピンで台風でセットが壊れて撮影延期になったり、主役交代騒動があったり、主役俳優が心臓発作で倒れたり、マーロン・ブランドが契約と違って太ってたり、デニス・ホッパーがセリフ全然覚えてなかったり、撮影資金が途中で尽きてコッポラが私財投げ打って借金して3回自殺未遂するとか、もういろいろありすぎて、完成までに4年も掛かったという悲惨な映画。
それでもカンヌで最高賞パルムドールを獲得。
未だにベトナム戦争映画の金字塔となっている大傑作。
その「地獄の黙示録」がファイナル・カットとなってIMAXで期間限定上映。
そりゃあ、観るっきゃないというわけで、観てきた。
実に40年ぶりの観賞だ。
その感想。

もうね、圧巻ですよ。
星5つ。★★★★★
とにかく、全編実写で作り上げた映像が素晴らしすぎて、ストーリーの不備とかもうどうでも良くなるレベル。
フィリピン軍に借りた本物の戦闘ヘリで、本物の銃器でバンバン撃ちまくっていて、撮影でもう何人ケガしてるか分からないレベル。
本物のジャングルを本物の火薬で盛大に焼き払っていて、今だったら自然破壊で訴えられるレベル。
凄い、凄すぎる。
それをIMAXの大画面大音響で観れてしまうなんて、もう二度とない機会。
強くオススメする。
ワンカットファンタジー戦争映画「1917」なんかを観るより、こちらを観ろ。

映画としてはそりゃあ問題がある。
前半はメッチャ良いテンポで進んでいくんだけど、中盤のフランス人入植者のくだりなんて丸ごと不要だし、後半マーロン・ブランドが太っててアクションシーンが出来なかったせいで、カーツ大佐の砦のあたりは脚本をコッポラが急遽書き変えたこともあり、グダグダ中のグダグダで哲学的になりすぎて、もうぶっちゃけ、よく分かんないよw
でも、戦争の狂気と本物の地獄を描くという意味で、この映画はある地点まで完全にイッテいる。
それだけで、もう十分すぎる名作なのだ。
必見です。

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