そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない



ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)
村上 春樹
新潮社


なんとなく読み始めたら、はまった。
村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」
実に久々に読む。
多分10年以上ぶりだ。

前回読んだ時は、ラストの印象があまり良くなかった。
なんだか尻切れトンボ的に終わられた気がしていた。
風呂敷を広げるだけ広げて、回収できずに終わられた感じ。
結局何だったのか、説明なく突き放された感じ。
そんな読後感がイヤだった。
そんなイヤな記憶の残る長編作品だった。

10年以上ぶりに読み始めた。
まだ第1部の途中までしか読んでない。
でも、ずいぶん印象が違うのだ。
主人公は結婚していて30歳なのだが、彼が語る夫婦生活のディティールとか、独白とか、世界の受け止め方とかが、妙な納得感で響いてくる。
なぜだ?
こんな本だったっけ?

そうなのだ。
前回読んだ時、僕は独身だったのだ。
その後結婚生活を実際に経験した。
で、今もう一度読んだ時、同じ本でも感じ方が違うのだ。
読み手の変化が、本の中身に影響を与えているのだ。
面白い。

本は一度読んだからと言って、それで終わりではないのだ。
読み手の変化で、本の中身も変化する。

果たして、今回はラストに納得いくのだろうか?
楽しみに読み進めようと思う。

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