リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ヴァイスのソナタ25番、51番、95番(12)

2024年04月25日 15時24分57秒 | 音楽系

この写本について「この紙の分析は、この手稿本はロシアで作られ、それは少なくとS.L.ヴァイスの死後15年後である」と解説にはあります。

ヴァイスの死後15年は1765年です。ヘンデルはもう亡くなっていますし、1767年没のテレマンも相当衰えていたころです。一方モーツァルトはすでに9歳で天才の評判はとどろいていたころです。ハイドンは30代半ばで油が乗りきっていた頃です。

モスクワ写本の筆記者は、コーカサス地方出身のティモフェイ・ビエログラドスキで1710年頃の生まれです。音楽愛好家でもある彼は1733年ロシア帝国の大使としてドレスデンに赴任。1737年にはベルリンに居住。ヴァイスに会い弟子にしてもらったときは、彼はバンドーラというトルバンの様な楽器を演奏していました。

(以上モスクワ写本現代版の解説を参考にしました)

トルバンというのはウクライナの民族楽器でリュートとツィターを併せ持った楽器です。ネットで調べてみましたらこんな楽器です。

これってツィター部分を除くとほぼドイツテオルボですね。