リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ヴィウエラ講習会参加顛末記(1)

2015年07月01日 23時23分53秒 | 音楽系
エクアドルのキトにあるヴィウエラに関する講習会を聴きに東京まで行って来ました。講師は古楽器製作家のカルロス・ゴンザレス氏です。私はヴィウエラは持っていませんし、近々購入する予定もありませんが、ヴィウエラの音楽にはとても興味を持っています。まぁルネサンスリュートで一応音は出せるし、楽器まで買わなくてもいいか、みたいな感じですね。(笑)

実はこの講習会の日、ヴィウエラとは何も関係ないイベントがいろいろと起こりました。ほとんどは私がボケてたのが原因ですが、そうでないのもありました。

まず出発するときに、折りたたみ傘が見つかりません。その時は雨は降っていませんでしたが、名古屋に帰ってきた朝(東京には宿泊せず夜行バスで帰ることにしていました)、雨が降るという予報でしたので、折りたたみ傘を持っていこうと思いました。ところが家中どこを探しても見当たりません。神隠しにでもあったのでしょうか。仕方が無いので傘を持たずに出かけました。(傘は、講習会会場の最寄り駅であるお茶の水駅で急に雲行きが怪しくなり、ポツポツと来ましたので近くのコンビニで買いました。でも結果的にその傘は使う必要がほとんどありませんでしたが)

この日の正午前にネットのニュースは例の新幹線の事件を伝えていました。でもあれは下り線のことだから多分上りは大丈夫だろうとタカをくくっていました。でも3時頃名古屋駅の新幹線ホームに立つと、下り線だけではなく上り線も列車が全然来ていません。駅員さんに事情を聞くと、私の予約してあるのぞみはすでに運休されたとのこと。駅員さんは、来たヤツに適当に乗って空いているところに座って下さい、とおっしゃる。講習会は7時始まりですが、5時に東京に着く列車を予約したので、時間的な余裕はあります。

結局40分以上待って、遅れてやってきたのぞみ号に乗りました。でも先に列車が一杯詰まっているらしく浜松で待ち、静岡で待ちといった具合でなかなか進みません。


5時過ぎになってやっと富士山が見えてきました。ホントはもう着いているころなのに・・・

結局品川に到着したのが、6時30分頃でした。品川から先もまだ列車が詰まっているとのことでしたので、品川で下車し座席指定分を払い戻ししてもらいました。

5時頃東京について、しばらく湯島あたりを散歩して、ついでにバー、ホワイト・レインボー!にも寄ってみようかなと思っていましたが、それどころではなくなってしまいました。

講習会の会場は、お茶の水駅からほど近いところにあるアンダンテ・ギター・ワークショップというところです。雨が降りそうでしたので、早足で会場に向かいました。着いたのは、6時55分。ギリギリセーフでした。

講習会は、日本リュート協会、日本ヴィウエラ協会会員のN君が主催しました。N君はかつて中京地区に住んでいたことがあって、もう随分前からの知り合いです。レクチャーはかなりスペイン語なまりの強い英語で行われましたので、わかりにくい方も多かったとは思いますが、時折N君が上手に日本語の説明を入れたのでよかったと思います。

キトのヴィウエラについて詳しいことは知らなかったのでとても興味深かったです。会場から「ギターとヴィウエラはどう違うのか」という質問がありましたが、講師のカルロスの答えはとてもおもしろかったです。

ポルトガルではそもそも有棹弦楽器はみんなヴィオラという。(ので分けてみようという発想そのものに意味がない)ヴィウエラという言葉はヴィオラというポルトガル語のスペイン語版なので、スペイン人も同様のとらえ方をしていたということです。なーるほど。(笑)

この講習会には幅広い年齢層の方が40名以上も参加されていました。もちろんこれはN君の努力の賜ですが、さすが東京は層が厚いとも感じました。以前私が教えていた方も何人か来ていましたし、その他にも久々にお会いする方もいらっしゃいました。私のかつての生徒さんも数名が首都圏に引っ越しされてるので、意外に東京にはリュート関係の知り合いは多いです。数えてみると、明らかに私の地元名古屋より多いです。この狭いリュート界に於いても東京一極集中化が起こっているのかも。

講習会終了後厚かましくも打ち上げに参加させて頂きました。会場は両国駅にほど近いお寿司屋さん。とてもいいネタを使っていておいしかったですが、11時20分の名古屋行きのバスに乗らなくてはいけないので途中で失礼させていただきました。