リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

またバーゼルの風(8)

2005年11月25日 20時57分39秒 | 音楽系
「じゃ,月曜日に行きますからよろしく。で,何時頃がいいですか」
「そうだね。いつものように1時がいいね」
「オーケー,じゃいつものようにシャテル・サン・デニ駅についたら電話します」
という感じでモーリスと日本から電話でやりとりをして,スイスに向かいました。。

今回の訪問は自分のフレンチテオルボの注文をするためなんですが,こっちに来る直前に私の生徒のKさんがモーリスの楽器を注文したいとのことを言ってきましたので,それではついでにその楽器についてもスペックをつめて来ることにしましょう,ということで2つのミッションを背負ってモーリスのスタジオを訪問することに。

今日のシャテル・サン・デニ駅付近は今までになく霧の中。いつものように携帯で電話すると10数分後に彼のホンダが現れました。霧の道を一気に駆け上がって行きます。

車の中で,
「さっき自分の家のベランダで日光浴をしていたよ」
「えっ?」
彼のスタジオがある山の上の方は,吹雪にでもなっていると思っていたら,意外なことをおっしゃる。途中から霧は晴れていき,スタジオに着くころはあたりは快晴です。下の山を見ると,雲がすぐそばまで来ていますが,ここまでは来ていません。ずっと向こうのフランスの方まで真っ平らな雲が続いています。雲が湖みたいに見えて,まるで湖畔にいるみたいです。そのあまりの美しさに見とれてしまいました。モーリスによるとここ何日かはこのパターンで,3日くらい後からは雪になるので,このパターンは終わるそうです。
せっかくの美しい景色ですので,外でコーヒーいただき,厚かましくもお腹が空いているといったら,軽い食事も出してくれました。そのあと,スタジオに入って,スペックの詰めです。楽器2本分もスペックをつめるのは結構時間がかかり,終わった頃は少し暗くなってきて,雲もこちらにせまってきました。あまり遅くなるといけないので,お暇することに。帰りはパレジューまで車で送っていただきました。