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『トヨタ式「改善」の進め方』(読書メモ)

若松義人『トヨタ式「改善」の進め方』PHPビジネス新書

大野耐一氏のもとでトヨタ生産方式を実践・普及してきた若松義人氏の書。

トヨタ自動車を退職後も、コンサルタントとして様々な企業を指導してきたご経験があるため、紹介されている手法に普遍性がある。

一番印象に残ったのは、「改善推進チームの教育ママ化」の話し。

企業の改善を促進する「改善推進チーム」が教えすぎると、現場が考えなくなるという。

「ある日のミーティングで、推進チームがいつものように「改善点はまだあるはずです」と言うと、現場から「もうないよ。そんなに言うのならどこにあるか言ってみろよ」と言い返された。業を煮やしたメンバーの一人が、つい問題点をいくつか指摘してしまった。そればかりか、「こうすればよくなるでしょう」と具体的なやり方まで教えてしまった。(中略)これはトヨタ式改善において最もまずいやり方だ。改善の基本は「答えは自分で考える」だ。人はつい、考えずに答えをほしがる。教える側、指導する側もつい「こうしなさい」と答えを教えたくなるものだ。だが、それでは知恵を出して働く人は育たない。多少時間はかかっても自分の頭で考えてもらう。推進チームはその「自分で考えた答え」に対して、「もっとこうしたらどうだろう」「こんな考え方もあるのでは」とアドバイスする。アドバイスはするが、決して正解を教えてはいけない。考えること、試してみることを通してしか知恵ある人は育たないからだ」(p. 164-165)

この箇所を読み、「自分も教えすぎている」と反省した。

たしかに、時間はかかっても「君はどう思う?」と聞くことが大切なのだ。その積み重ねが人を成長させるのだろう。



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