goo

『直観力』(読書メモ)

羽生善治『直観力』PHP新書

将棋の羽生さんのエッセイ。

第一線で活躍し続ける永世名人の言葉は深い

特に印象に残ったのは次の箇所。

「いつも、「自分の得意な形に逃げない」ことを心がけている。戦型や定跡の重んじられる将棋という勝負の世界。自分の得意な形にもっていけば当然ラクであるし、私にもラクをしたいという気持ちはある。しかし、それを続けてばかりいると飽きがきて、息苦しくなってしまう。アイデアも限られ、世界が狭くなってしまうのだ。人は慣性の法則に従いやすい。新しいことなどしないでいたほうがラクだから、放っておくと、ついそのまま何もしないほうへと流れてしまう。意識的に、新しいことを試みていかないといけないと思う」(p. 165)

同じことを吉本ばななさんが言っていたのを思い出した。

「ある程度の年齢になると人間は得意なことに逃げるようになるんです。そうすると得意なことがだめになっていきます。上手くいかないことを得意なことで解消するというサイクルに陥ってしまうと、得意なことが得意でなくなっていくし、楽しくなくなってしまいます」(『おとなになるってどんなこと?』ちくまプリマー新書, p.119)

それぞれの人には「強み」があるが、その「強み」に逃げると成長が止まってしまう。

つまり、新しいことに挑戦して「強みを伸ばす」必要があるのだろう。

得意なことを深める」ことが大事になる、と感じた。



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )