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反応のよい便利屋さん

自動車部品会社のニフコの得意技は、提案型営業

同社は、自動車メーカーの注文通りに製造するのではなく、技術を知る営業担当者が設計段階から関わり、使いやすく造りやすい部品を提案する。「コストで負けました」は言い訳にならない。不況後の2010年3月期の決算でも、売上高営業利益率は8%と堅調だ。

しかし、ニフコの黄金時代を知り、他社経験もある小俣常務は次のように厳しい指摘をしている。

「ニフコの社員は設計技術と密着営業に優れてはいるが、『反応のいい便利屋さん』。顧客が抱える目先の課題に解決策を見いだすことは得意でも、顧客が想像もしないアイデアを生み出していない」

世の中の提案型営業の多くは、反応のよい便利屋さんになっているように思う。本当の提案型営業のためには、業界の先を読んだ上で、顧客企業の経営状態をつかむ力が必要になるのだろう。

現場に密着した視点と、経営の先をみる視点の両方が必要になる提案型営業。
奥が深い、と感じた。

出所:「客の本音、展示室で聞く」日経ビジネス2010年6月21日、p.50-52.
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