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『パリ左岸のピアノ工房』(読書メモ)

T.E.カーハート『パリ左岸のピアノ工房』新潮社

パリの小さなピアノ工房で中古のピアノを手に入れた著者。それをきっかけに、彼の人生が輝きだす。工房の職人と交わるなかで、ピアノの奥深さと魅力にとりつかれていき、少年時代に習っていたピアノのレッスンを再開する。

僕は楽器を弾けないが、この本から「学ぶ喜び、表現する楽しさ」が伝わってきた。

心に残ったのは、著者がピアノの先生から送られた『弓と禅』という本のメッセージ。

「重要なのは集中力であり、学んでいく過程にこそ価値があるという。たとえどんなにささやかなものでも、新しい技術にはそれに固有の発見があり、満足がある。(中略)生徒は教師を尊敬しなければならず、厳格な上下関係を受け入れなければならない。」(p.142)

ピアノの先生いわく「あなたにもわかっているように、大切なのは姿勢なんです。」

優れた師との出会いと、学びの姿勢が人生を豊かにするんだな、と感じた。
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