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学習する組織を診断する

ハーバードビジネススクールのガービンらは、学習する組織の診断ツールを提示している。彼らによれば、次の3つが学習する組織の構成要素となる。

・組織学習を支える環境
・学習プロセスと学習行動
・学習を増進するリーダー行動

もう少し具体的にいうと次のようになる

組織学習を支える環境
・気軽に意見を出す雰囲気があるか
・異なる意見を認め合っているか
・未知のものを探索しているか
・立ち止まって内省する時間をとっているか

学習プロセスと学習行動
・新しいやりかたを実験的に取り入れているか
・競合、顧客、経済の情報を収集し、幅広い観点から議論しているか
・教育を重視し、社内外から知識を得ているか

学習を増進するリーダーシップ
・上司は、他の人の意見を求めているか
・上司は、さまざまな視点を持つことを奨励しているか
・上司は、過去の業績を内省し改善するための時間、資源、場を提供しているか

言い換えると、あまり意見も言えず、前例にこだわっていたり、仕事に追われている職場では、学習が進まないといえる。

この論文自体はつっこみが足りないところがあるが、ツール自体は参考になると思った(論文には質問項目も載っている)。

修正するとすれば、「組織学習を支える環境」「学習プロセスと学習行動」がオーバーラップしているので、区分けを明確にることと、「学習を増進するリーダーシップ」を、リーダーが職場環境を設計するという観点から捉えなおすことだろう。

職場の学習風土を醸成する上で、このツールを使って定期的に現状を測定し、風土を改善していくことが有効になると思う。ガービンらが薦めているように、他部門や他組織とベンチマーキングして相対的な評価をすることも大切である。

出所:Garvin, D.A., Edmondson, A.C., Gino, F. 「学習する組織の成熟度診断法」Diamond Harvard Business Review, August2008, 118-130.
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