goo

最初の3年間

石の上にも3年」ということわざがある。

「3年で3割の新人が会社を辞める」と言われているが、ベテランの企業人からは「まずは3年は勤めなさい」というアドバイスが新人に送られることが多い。

神戸大学の金井先生は「最低必要努力量」という概念を提示され、仕事や会社が自分にあっているかどうかを把握するのに3年間は必要である、と述べている。

でも、なぜ3年なんだろうという疑問がずっとあった。

先日、あるセミナーに参加した際に、最初の3年間の意味について、某先生から次のようなコメントがあった。

「1年目は、自分の位置づけを確認する「静観」の時期、2年目はいろいろと試みることで予測力をつける時期、そして3年目は、自分なりの工夫することで職場や仕事を「自分の世界にする」時期である」

なるほどな、と思った。

キャリア官僚の実態に詳しい別の参加者の方は、次のように述べていた。

「キャリア組の官僚は、3年周期で職場を異動しますが、それには意味があります。1年目は「見る」時期、2年目は「考える」時期、3年目は「試みる」時期です。」

お二人のコメントを合わせて考えると、3年間は、一つの仕事なり職場を自分の身体で理解するのに必要な期間であるといえる。

つまり、ある特定の「仕事」の体系を理解し、知識・スキルを身につけ、ある程度の成果を出すために必要な期間が3年間なのだろう。

しかし、本当に良い仕事をするためには、3年間は準備期間でしかないと思う。その意味では、新人にしろ、中堅にしろ、ベテランにしろ、4年目、5年目が勝負の時ではないだろうか。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )