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『夜と霧』(読書メモ)

以前から読みたいと思っていた、フランクルの『夜と霧:ドイツ強制収容所の体験記録』(霜山徳爾訳、みすず書房)を読んだ。

精神科医であるフランクルが、みずから体験した強制収容所の実態を、心理学的、精神医学的に考察した本である。

強制収容所における凄まじい実体験を報告すると同時に、そこにおける人間の心理状態を客観的に洞察している点に特徴がある。

その中で、心に残ったのは、次の言葉である。

未来を信ずることのできなかった人間は収容所で滅亡して行った。」

逆に、「なぜ生きるか」を知っている人、待っている仕事や愛する人間に対して責任を感じる人は、自分の生命を放棄することができない、という。人生の意味を感じれるかどうかが生死の鍵を握っている。

人生の意味について考えるとき、「私たちが人生から何を期待するか」ではなく、「人生が何をわれわれに期待しているか」を問うことが大切になる、というフランクルの言葉は深い。

つまり、人生とは、人生が私たち一人ひとりに課している「使命」を果たすことに責任を負うことに他ならない。

この本を読んで「生きる意味」「人生の意味」について考えさせられた。
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