柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

因果

2020-05-04 09:01:56 | Weblog
ガソリン代がどんどん安くなっていきます。昔から高騰するとやんやの報道で、150円台になるとGSでのインタビューが恒例で「もう遠出はしない」「ドライブを控える」なんて言わせてたもんですが、最近は160円近くになってもその手の煽りがなくなりました。もっともその昔から安くなったときはスルーされてたのですが、今安いですね。原油価格については産油国の思惑に左右されてさらに中東の紛争具合に左右される、ホルムズ海峡云々の問題も必ず原油輸入がらみです。最近の動きがよく新聞に載ってて素人にも分かり易い図柄です。産油国はアメリカ、ロシア、中東が主です。サウジアラビアなど中東のOPEC、それにロシアを加えたOPECプラス、そしてシェールオイルのアメリカの三すくみで価格が決まるというわけです。アメリカへの対抗策としてOPECが価格の低下を覚悟で大増産に舵を切った。低価格になるとアメリカの産油コスト(シェールオイルは普通の油田よりも採油コストが高いのだそうです)が賄えなくなり、世界の原油価格に対するアメリカの影響力を減じることができる、そう踏んだのだそうです。ロシアは反対したけれど踏み切られた、だから今こんなに安いというわけです。現にアメリカの採油会社で倒産が相次いでいるとか。でも、コロナの大パンデミックによって原油の需要が大きく落ち込んで、だぶついてしまった。で、慌てて(かどうかは知りませんが)減産に戻したけれど、その減産分よりもコロナ禍による需要の減の方が大きくて、売れずに貯蔵している分がもう限界だと言うてます。コロナパンデミックは全世界の軋みを露わにさせていきます。歪な流通物流、すなわち資本主義の弱点です。国家収益の多くを原油輸出に頼っているのは中東OPEC諸国だけではありません、ロシアもそうです。価格の下落は直接響きます、それに加えて現下のロシアはコロナ禍が蔓延しつつあるのだそうで、プーチンさんの独裁体制が揺らぐかと言われてます。記事によると彼はさらに憲法改正して最大2036年まで大統領でいるつもりだったのだそうです。それがコロナ禍のおかげで進められないと。そんなこと考える方もどうかと思いますが、国民性と言うのか権力欲の怖さと言うのか。2000年以来すでに20年間権力を握っているのに、です。北朝鮮は感染者ゼロと言い続けてますがそんなことあるはずもなく、悲惨なことになっていましょう。中国の相変わらずの隠蔽、すり替え、押しつけ外交があちこちで吹き出してます。全体主義が民主主義に優るとの喧伝です。パンデミックが時代を変えてきた、とはよく言われることです。ペストが、コレラが、天然痘が、スペイン風邪が例に出されます。今次のコロナ禍はまさにそうなる契機なのでしょう。EU理念の嘘がバレました。風習風俗習慣文化等々の民族差を越えた融合などできないのです。共産主義やマルキシズムがそうであったように、グローバリズム、新自由主義の嘘が露わになりました。共産主義はヒトの欲望を無視したこと、マルキシズムは流通を無視したことが欠点と指摘されることですが、後二者はそこを伸ばし過ぎての破綻です。残るは西側の価値観(民主主義)と中国式権威主義全体主義との争いです。自由資本主義対国家資本主義。ほどほどにしようとは皆わかっていることでしょうが、それができずに両の極端にぶち当たるまで行ってしまう。ヒトの業ですか。
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