柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

制限

2020-05-05 08:05:06 | Weblog
緊急事態宣言が延長されました。罰則付きの強制執行vs自粛要請。PCR検査するvsしない。この比較です、壮大な社会実験です。外国対日本。どちらが効果的なのか。日本式が間違ってないという第一の理由根拠は死亡者の少ないことでした。確かにイタリアやアメリカでどんどん死んでいく当初日本ではそうでもなかったのでした。向こうは何万人、こっちは百人足らずでしたか。でも最近は増えてます、500人越えてますね。感染状況の指標があれこれ挙がってます、直截に感染者数、陽性者率、感染源不明者の多寡、再生産者数(何人に感染させたかの数だそうですが、この呼称はきっと直訳なんでしょうね reproduct とかなんとか。業界語の常です、生硬、不親切、バカの壁)。昨日報道1930で紹介してました、山中さんが言うてるそうです、再生産者数は計算できないと。これは控えめな言い方です、発言の影響力を考えてのことだったのでしょうがそのココロはPCR検査が不十分だから陽性者数の実数すら掴めてないということです。これらの指標すべての元になる実際の感染者数がわからなければ、どの数字もあてになりません。冒頭書きました、PCR検査を無闇にしないという厚労省施策への批判です。疑わしき例、重症者に限るという方針への非難です。感染の実態がつかめずに何の対策ぞ?!と批判する向きの根拠はひとえにここでしたし、ワイドショーもニュース番組もそこを常に非難してました。この方針であれば軽症者や無症状者をみすみす(わざと)見逃すわけです。いえ、無症状者も見つかってるじゃないかとお気づきでしょうが、これは感染が見つかった人の濃厚接触者を追いかけているからです、症状のあるなしに関わらず追いかけるが法律なのです、これが保健所の仕事なのです。いつ解除されるんだ?そこへの言及が足りぬ。データ(数字)として明確に示せ。出口が見えぬを不安が募るばかりだ。昨夜のどのニュースもこういう論調でした。安倍さんが(尾身さんが)具体的な数字を出さなかったからです。上記指標の数字が減ればとの目安は言うてましたが、今この数字で、これがいくつまで下がれば、という具体がなかったのでした。で、山中さんの指摘がありいの、PCR検査を何故しない?の堂々巡りです。上記のように今出ているどの数字も実態を表してないのですから、改めて目標値の出しようもないという理屈です。でも、こういう反論は成り立ちましょう。いかに正確に実態を反映しないいわば相対値、一側面の値であっても、同じデータの採り方していけば比較はできますね。増減は比較でできるのですから、終息具合を窺うことはできましょう。今(できるかできぬかは、するかしないかは別にして)安倍さんの言うようにPCR検査を日に二万件に増やした(アメリカは29万件だそうですが)らどうなるか。そっちの方が怖ろしいです。昨日の専門家会議からPCR検査数が少ないことの理由(言い訳です)が出されてます、読売新聞に箇条書き(5項目)されてます。保健所の多忙、防護服の不足、検体運搬業者の不足、検査所の体制不十分、だそうです。おいおい。これじゃぁ指定感染症に指定した意味がないじゃないかい?用意準備が何もできてなかったということですからね。もっとも真意はここじゃないです。それを匂わせる項目があります、「陽性と判明した人の入院先を確保するシステムが機能してない地域があった」と。いや。感染症指定病院は法律で平時に決められてます、各自治体は準備していなければなりません。この文言ははぐらかしているのですが、そのココロは陽性者が増えすぎて収容病床数を越える、つまり医療崩壊を避けたかったわけです。現行方針はクラスター潰しだからとかなんとかと誤魔化してますが、東京のようになると説得力に大きく欠けます。しかし、PCR検査を抑える(疑い例、重症例、感染判明者の濃厚接触者に限る)現行の方針は、よく言われるクラスター潰し目的と、入院加療例の選別、指定病院病床を軽症例で埋めない目的だったのです。命の選別だの不平等だのの話じゃありません、トリアージです(結局同じことやるのですが、トリアージと言えば不思議とメディアは認めますね。ここにも横文字礼賛文化が仄見えます、馬鹿馬鹿しい)。片っ端から検査をして陽性者をどんどん見つけて、病床があっという間に埋まって重症者を治療する場がなくなる。これを避けるべき方策だったのでしょう。韓国を成功例としてTVはよく採り上げます、ドライブスルーで検査して陽性者を別施設に隔離する。大人数を隔離できる施設があったから検査も増やせた、という結果ですね。日本にはそれができなかった。APAホテルや他に貸し出し要請を受けた施設がありましたが、指定病床が溢れたからの順です。これも非難の対象です、何かが起こってからやっと対処する、逐次投入の愚。それはそうなのですが、今東京でPCR検査増やしたらどうなります?そっちの方がもっと怖いでしょう?報道1930に出てくる現場の臨床医たちは、発熱でやって来る患者さんたち、救急で運ばれてくる症例の感染の有無をすぐに調べられるようにしてくれ、でないと院内感染してそれこそ医療崩壊になると訴えます。これも切実な一側面です。医療崩壊とは「患者数>病床数、治療能力」のことです。左項が増えるか、右項が減るか。右項が減るとはつまり、医者や看護婦スタッフが感染して抜けてしまうとか、院内感染して病院が閉まってしまうとか、あるいは病床が軽症者で埋まってしまうとかです。上記の救急病院の危険はまさにこれです。防ぐにはその逆に向かえばいいのです。PCR検査を制限しているのはその目的のためだ。と説明されれば(絶対そうは言わないでしょうが)、賢姉賢兄におかれてはいかがお考えでしょうか。


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