原則

吉本隆明の死亡が大きく報道されます。特にＮＨＫが異様に長く流している印象です。私のような向きからはこの人は左翼の巨魁のような色付けです、著作も読んだこともありません。ので評論などはできませんが、こんなに？いう報道でした、新聞もＴＶも。そう思われませんでしたか？
　東京の地下鉄の駅名が変わったというニュース、そんなことどっちでもいいことでしたが、東京スカイツリー駅ができたって話、またまたイージーなことと少し呆れて、前の名前が業平橋前だと聞いて、あららと天邪鬼は大きく憤ったことでした。住んだことはおろか行ったこともない所ですが歴史的な名前を消していく安易化大衆化には反感を覚えます。業平といえば在原業平でしょう、そのゆかりの地名でしょうに。当地のような鄙でも（鄙なればこそのことかもしれません、都会のような田舎を作ろうというのが能無し首長達の安易さです）昔からの地名が消えます、中央何丁目何番何号、南町、北町云々の羅列。歴史を蔑ろにするを進歩的とする悪行がまだ闊歩してます。蟻の一穴。長く叫ばれていることですけれどねぇ。
　鉄っちゃん達の季節ですか。ブルートレインがどんどん消えて行きます。大阪発青森行き。なんてロマンチックなセンチメンタルな響きでしょうか。車には全く興味のない偏屈男の私ですが、鉄っちゃんの気持ちはわかります。新幹線の100系300系も引退だそうで。こっちには残念ながらついていけません、その違いがわかりませんので。当地柳井（山陽本線）には沢山の特急、寝台特急が走ってました、柳井を通過するのを見送りながら、時刻表を見ては胸ふくらませていた頃を思い出します。新幹線偏重、在来線切り捨て。これも世の中の流れであり要請であるのです。昔はよかった、と思えばいいのです。二度とその「昔」は帰ってきませんから。便利さを要求する一方で不便を残すことはできぬことなのです。そういう人間社会の原則です。