柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

used to

2008-12-28 09:20:42 | Weblog
TV、最近はすっかり面白くなくなってニュース番組かスポーツ実況しか見ないのですが、夜のニュース番組枠にまで特番が入り込んできて。年末です。思えば私も若い頃これでもかとTV見ていて、田舎のことゆえ、平凡や明星に話題になっている番組が映らない(当時民放は三局映ったのですが同系列会社という間抜けさ、チャンネル回しても同じ番組ってことです、ついこの前までTV朝日が映りませんでしたし、今現在もフジ系が映りません、そういう片田舎です)、ブツブツ言いながらチャンネル(こういう言い方も古いんですが)離さなかったのをつまらんもの見やがってと苦々しくおやじ達は見ていたに違いないのです。特にあの頃のTV番組やら歌謡曲事情に未だにとても詳しいという事実は如何にTVばかりを見、そう言う雑誌ばかりを読んでいたかという証拠でもあります。それだけ当時の「面白くない、馬鹿馬鹿しい」番組をばかり見ていたということです、人生は繰り返されるのみ、私がおやじになったというだけのことです。それに気づいて笑ってしまいました。どうせいやなモノは見ないわけです、好きな番組だけ見ていればいいわけです。TV文化の先端、時代の先端には次々にその適年齢の者達が入れ替わっていきます、かつては私達もその席に座っていたわけです。「昔は違った」と言う側に回っただけです。役割が替わっただけです。自分では何の変わりもないと思っているけれど、自然に順送りされていくのです。この感覚は、高齢者が年寄り扱いされるのに戸惑う感覚そのものなんだろうと妙に合点がいく思いです。70歳の人は多分50代60代時分の自分と何の変化もないのです。が、社会が否応なく烙印を押し排除していくのです、それが定年であり、年金支給であり、健康保険制度の変更なのです。あなたは年寄りだから退いて下さいとの無言の強要。有難うございましたごくろうさまでした、と表向きは言うでしょうが、後は死ぬだけですよという烙印ですね。むろん退く必要もないことです、ガンガンやられればいいのですが、やはり世の中は回す世代のために回っています。年寄りが若い者の言うことを聞かんで無茶をするという謂は、あなたも親にそう言うでしょう?、あくまで若い者側からの視点に過ぎぬのです。当の年寄り達は自分を年寄りと思っていないのですから。息子に文句言われたにしましょうか、はいそうですかと聞く父親もいないでしょう、何を?横着言うな!となる方が普通でしょう。はっきり喧嘩するか、返事せずに言うこと聞かぬか、そういう態度の方が正常ですわね。核家族化を嘆き非難する向きが多いのですが、子を為して子が世帯主になればもう社会構成員としての役目はひとまず終わったわけで、その後も一緒に住んだ方がいいなんてのは偽善です。世帯主が複数いる不自然は大きいです、紛争の第一のタネです。仮に年寄りが一構成員に降りたとしましょう、すれば今度はお荷物化です、火を見るより明らか。男は、おそらく女も、日常生活から降りれば何もしなくなる一方です。だから核家族でいいじゃないかと私はいつも思ってます。大家族ってのがそんなにいいですかね。いいと思う人はやればいいけれど、押しつけるものじゃないですな。うっとうしい。私は端的にうっとうしい。女房と(彼女がそう思ってくれていればという、大なる不安定要素を抱えた前提ですが)一緒にいればそれでいいと思います。丁度子が世帯を持つ年代にさしかかり、先がそろそろ見えてきた頃に、あれこれ気づくこと気づかされること、です。仕事柄、歳は取りたくないですなぁなんて会話でやり過ごすことが多いうちに、そういうセリフの通用しない人達がいることに若いときから気づいていました、でもそれは単に個人差性格差と思っていました、が、そうじゃない、人達は自分を年寄りと思っていない、歳の所為なんか思いもよらぬのだとだいぶ経ってからわかりました。というか自分の親を見ていてそう気づきました。人を年寄りにするのは若い奴らなのだ、年重ねた人達は自分を年寄り(傷んだ、ロートルの、引退せねばならぬ者)なんて思っていないんです。周りから言われて、気づかされて、渋々従っていくのです。むろん自分の意思でどんどん退いていく人も多いですが。が、これにも気づいています、誰かを頼るからそう扱われる、年寄りというレッテル張られて隅に置かれるんです。やかましい!年寄り扱いするな!と言い放つにはそれなりの矜持、生活態度が要ります、当然です。都合悪いときだけ年寄り面したんでは狡いことです。その為にはどうするか。逆算です。もう人生を逆算する年代になりました。どう生きるか。ゴールに向かってどう過ごすか。TVの特番見比べながら(昨日はドリフターズの全員集合を流してました、リアルタイムの世代ですが、画像も内容もやはり古い。嗚呼長い時間が過ぎたんだのうと妙に感じ入りました)、自分の好みも嗜好も若いときと比べて何も変わっていないと思っているけれど、所詮は相対的な変化、文化が移ろえば自分が押し遣られるが必定、used to 世代にいる自分を再認識しました。そして同じように思いました、流れを自分の前に引き寄せるために何を為せばいいのか。そう生きるべきですよね。いかがですか。
コメント
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