ベトナムのCan Tho 大学のDuong Van Niはデルタに影響を与える環境要因の研究を行っているが、中国によるダムはすでに堆積物を半分にまで減らし深刻な侵食を生み、土壌の肥沃度合いを減じマングローブ林の減少を招いているという。
彼はもしメコン河の流れに干渉することがあれば重大な洪水や旱魃を引き起こし、社会不安や住民オ移住問題煮まで発展するに可能性があると警告した。「作物や動物への衝撃を与えるとともに、社会的影響を及ぼす環境問題になる」と彼はいう。「水祭りのときに水が無いなど考えられるか}と。
チベット高原の雪原に源を発し、メコン河の流れは中国とミヤンマーの国境を通り、タイとラオスとを隔てる国境として河は流れ、そしてカンボジャの広大な湖沼システムを潤した後に河は蛇行してベトナムを通り南シナ海に入る。ラオス人はこの河をMae Nam Khong, 母なる水と呼び、ベトナム人はSong Cuu Long,9つの龍の河ト呼んでいる。
カンボジャ人はTonle Thumあるいは単に偉大なる河と呼ぶ。この水は この地方の経済、文化、歴史、生計に深く組み込まれている。カンボジャ人とラオス人は他のどの国民よりも一人当たりの魚の消費量が多い。泥を含んだ灰色の河は栄養分を含んだ水であり、アマゾン河に次ぐ生物多様性のあるこの地域の農場や田んぼを潤している。
何世紀にもわたって漁民らは網を打ちそれを引き揚げ、世界で最大の生産力のある内水面漁業を続けてきた。ここの生産量は世界の内水面漁獲の25%に相当する。しかがし、その河が最近は予測がつかない状況になってきた。突然増えたり減ったり、あるいは季節に従わないと村人らや環境保護主義者は言う。これまで無かったところに砂州が出現したり、ある場所では魚が激減したりするようになったと村人らは言う。