memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

ガザの生活   (1)その経済状況

2012-11-28 00:02:13 | 海事
イスラエルとハマス政府の抗争で、イスラエルでは5人、パレスチナ人は150人以上が死亡。停戦により通常の生活のうわべだけが戻りつつある(11月22日BBC)

我々は世界でもっとも人口の密集した激しやすい地区のガザを視察した。160万人の土地であるガザは長さ40km、幅10kmで地中海、イスラエル、エジプトに囲まれている。ガザの南部国境はもともとはエジプトにより統治されていたが1967年の6日戦争でイスラエルに押さえられた。
2005年、38年間に及ぶイスラエルの移住が緊張の源であったが、イスラエルはその軍隊と移住者を引き揚げた。

その一年後イスラム主義武装グループがガザでの選挙で勝利した。2007年6月ハマスがガザを完全に掌握。より穏健なライバルであるパレスチナのリーダーMaoud Abbas一派を追放した。スラエルは直ちにガザの封鎖を強化、この地区への物資と人々のでいるを禁止した。
イスラエルの封鎖により外界との交易の機会が失われ、窒息状態になった。ガザは外部からの援助と地下トンネル経済に支えられている。ガザ人の生活は平均的に見て1990年代よりも劣化した。失業率は30%が58%と上昇、その人々の年齢は20~24歳である。

農業は重要であるが水不足とイスラエルによる国境に沿った緩衝地帯のために制約されている。3000人のガザ漁民もまた制約を受けている。彼らは沖合い12海里までの操業が可能なのだが、今は3海里に規制されている。唯一の経済はいわれるところの”トンネル経済”である。数百のトンネルがエジプトとの国境に作られている。さまざまな物資がここをとおり、武器もまたガザに運び込まれる。

Iyad Tahはソfトウエア技術者で3ヶ月前に卒業、今彼はボランテイア活動を行なっている。「仕事はない。失業率はとても高い」とBBCに語った。しかしながら彼の家族は最低必要なものは、まかなうことができるという。 「すべてが安全で生活が平常であれば我々は幸せだ。だいぶ前に海外に出る機会があったがいつも戻ってきた。それはここがわれわれの属する土地だから」という。

*この記事は今後4回に分けて掲載します
**写真や図はクリックすると拡大してみることができます


簗の遺跡を発見   豪州

2012-11-28 00:00:52 | 水産・海洋
考古学者がEsperanceの近くで簗を発見した。この付近での発見としては初めてのものでおよそ1,000年前に使用されていたものという(11月14日West Australian)

この簗は潮間帯の澪に沿って一連の岩石で構成されたもので、木製の杭と網により通過する魚を捕捉しようとしたもの。研究チームがこの地区の調査中に発見したもの。この地区の所有者でGabbie Kylie基金の会長であるDoc Reynoldsがこの調査を編成した。彼によれば,この場所は地元民により知られていたという。「この仕組みは季節や潮汐、魚の行動などをよく理解したうえで魚を獲るように構成されたもので効率もよい」と彼は言う。

考古学者のDavid Guilfoyle はこの岩の構成は潮の干満による魚の動きを河口の潮の変化により捉えるものという。「どのくらいの期間にわたりこれが利用されていたかの査定は難しいが少なくとも500年以上であろう」という。このような簗は豪州南西部のAlbanyでも発見されている。

バカラオはブラジルでその地位を失いつつある   ノルウエー

2012-11-28 00:00:10 | 

ここ数年新しい魚製品がブラジル市場に安定的に流入、ノルウエー産のバカラオ(Bacalhau塩漬けし乾燥させたマダラ)の地位を脅かしている。(11月15日TFSND)

この競合は乾燥や塩蔵した魚を小口切にしたものや塩抜きし凍結したバカラオなどによるものである。こうした製品の輸入はノルウエー産のバカラオをしのいでいる。これによりノルウエー産のバカラオの市場シェアは過去5年間で86%から61%に減少した。ノルウエーの各社は乾燥や塩蔵したセイス、マダラ、リング、カスクなどをブラジルに輸出している。セイスやマダラのバカラオはその金額において最大である。

ブラジル市場に導入されている新しい製品はさまざまな利点がありノルウエーのバカラオバカラオ輸出のさまざまな部門において脅威となっている。
脱塩バカラオ:ポルトガルが脱塩バカラオの最大の生産国である。この製品は完全に塩蔵したマダラのバカラオの代替として便利である。2011年ブラジルの消費者は脱塩マダラの冷凍品を4,500トン購入している。これはバカラオ市場での10%に相当する。
マダラのバカラオについてみると脱塩冷凍品は市場の20~25%に相当する。「ノルウエーの会社はこの事態を深刻に捉えるべき。これほどの市場の変化はその便利さによるものだ。 脱塩冷凍の魚は水に戻すだけでよい。つまり消費者は調理に当たって事前に数日を費やす必要がない」とNOFIMAの科学者Finn-Arne Egeness はいう。

EgenessやNOFIMAのその他の研究者らは過去数年ブラジル市場を調査してきた。「調査結果からは多くの消費者が塩抜きに要する時間は無駄だと見ている。脱塩した魚であれば調理が簡単なために急速に市場での伸びを見ている。ブラジル人は家族や友達を招いてバカラオによる晩餐を楽しむことを好む。アジを最高にするためにとても重要なことは適正な塩分量である。脱塩した魚を購入することで調理が失敗することはない」とEgenessはいう。

脱塩マダラはブラジルでは高価である。リオデジャネイロのスーパーマーケットZona Sulではキロ当たり195ノルウエークローネ(邦貨換算2,925円)である。塩蔵乾燥品の価格はキロ当たり150クローネ。脱塩後の重量増を考えるとその差はキロ当たり80クローネとなる。「結果として、高値にもかかわらずこの製品分野が成長している。それは富裕層によるもので、従来の塩蔵乾燥品よりも高くてもよいという考えによるもの」とEgenessはいう。

中国製造の小型のスケソウダラの塩蔵品がブラジルのスーパーマーケットで見られるようになった。スケソウダラはセイスのバカラオの代用品になっているとNOFIMAはいう。スーパーマーケットの棚にはしばしばスケソウダラの製品を見かける。(以下省略)