ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

2017年のワイン市場&2018年展望@メルシャン記者会見

2018-01-19 17:18:31 | ワイン&酒
本日、2018年1月19日(金)、「メルシャン2018年事業方針発表記者会見」が都内で開催されました。

この記者会見は、メルシャン株式会社が恒例として新年に開催しているもので、新しい年の事業方針 の発表だけでなく、前年の実績や市場傾向についての報告も行われます。


メルシャン株式会社 代表取締役 代野照幸氏

代野社長によると、マイナス傾向のアルコール類に比べて、ワイン市場全体としては足踏み状態をキープしているといいます。

家庭向けでは、ワイン購入者数の伸び悩みはあるものの、一人当たりの購入量が増えました。
また、500円以下の低価格帯のワインの販売が大きく伸びているものの、1000円以上の価格帯のワインも伸びています。

つまり、日頃からワインをよく飲む人は、ワインを買う量が増え、中価格帯以上のワインも買っていますが、逆に、ほとんど買わない人や、低価格帯のワインしか買わない人もいる、ということです。

こうした消費の二極化を受け、また、外食産業などの業務店では、好調なハイボールやレモン酎ハイなどに押され、対前年比は92-93%、特に和風居酒屋ではワインは厳しい状況を鑑み、メルシャンでは、新規ユーザーを取り込むための間口拡大を課題とした戦略を展開していく、と発表しました。

とはいえ、2006年からの統計で見てみると、日本のワイン市場は、この10年で1.5倍に成長しています。

「ワインは多様性があり、健康にも良いイメージがあること、2020年の東京オリンピックもあり、インバウンドでの安定成長、拡大の見込みがある」と、代野社長。



また、日本産ワインについてですが、日本産のブドウでつくられる国産ワインのシェアは、現在はワイン市場全体の約4.8%(2016年)です。

現在はまだ小さい市場ですが、2015年の3.7%から順調に伸びており、出荷量も3年連続で増えており、年々拡大が見込まれる有望市場です。

日本ワイン人気はここ数年で大きく伸び、生産者数も増えていますから、拡大傾向は間違いありません。



次に、メルシャングループの2018年の活動方針ですが、

すべての領域でイノベーションを起こし、生産性の向上によって収益性も上げ、全社を挙げてお客様対応能力を進化させ、地域社会への貢献も行なう、という、もりだくさんな内容になっています。

同社が所有する国産ワインブランド「シャトー・メルシャン」としては、日本ワイン全体で4万ケース(対前年比1%増)を目指します。




メルシャンは輸入ワインを扱うインポーターでもありますから、輸入ワインでも対前年比2%増を、同社取扱いワイン全体では対前年比1%増の722万ケースを目指す計画です。




まずは、好調なチリワイン(2006年から10年で輸入量10倍以上)にさらに注力し、
悪魔のワインとして知られる超人気ブランド「カッシェロ・デル・ディアブロ」での小容量商品発売、新商品展開で、消費者との接点拡大を狙います。

2018年2月27日には、187mlサイズの新商品(カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランの3アイテム)と、シラーズとカベルネ・ソーヴィニヨン、カルメネールをブレンドした赤ワイン「カッシェロ・デル・ディアブロ レッド・ブレンド」(750ml)が新発売されます。

レッド・ブレンドを試飲しましたが、まろやかで口当たりがよく、なめらかで、やや複雑味のある赤ワインでした。この味わいなら、ワイン好きの人も満足できそうでは?
※オープン価格




2017年は過去最高の50万ケースを越えたというチリの「フロンテラ」ブランドでも、さらなるブランド拡大を目指し、プレミアムレンジ「フロンテラ プレミアム」4種が2018年2月27日に新発売されます。

プレミアムは“収穫”にこだわったレンジで、写真右の2本は気温の低い夜間に収穫した(ナイト・ハーベスト)ブドウでつくられたワイン(ナイトハーベスト ホワイト/ナイト・ハーベスト レッド)
左の2本は優れた畑のブドウを主に手摘みで収穫しています(カベルネ・ソーヴィニヨン/シャルドネ)
※オープン価格

“いつものフロンテラ”から、“ワンランク上のフロンテラ”で、プチ贅沢を楽しめます




2月27日に発売される新商品として私が一番気になっているのが、南仏の「ドメーヌ・カズ」が監修した新ブランド オーガニックワイン「ベル・フルール オーガニック」です。

ドメーヌ・カズはフランス最大級のビオディナミを実践する生産者ですから、そのカズが監修するオーガニックワインに期待が高まります。

白は「ベル・フルール オーガニック シャルドネ」
赤は「ベル・フルール オーガニック メルロー」 各750ml ※オープン価格

ラベルデザインも素敵で、外見からして惹かれました。
これはぜひ飲んでみたいです



メルシャンが取り扱う輸入ワインに関しては、ファインワイン、中価格帯ワインにもチャレンジしていくそうですから、今後が楽しみです。









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