ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

2019年のボージョレ・ヌーヴォーはチャーミング♪

2019-11-22 15:30:00 | ワイン&酒
2019年11月21日(木)、11月第三木曜日はボージョレ・ヌーヴォー解禁日ということで、ボージョレ委員会による記者会見が都内で行われました。
また、前夜にはカウントダウンイベントも行われましたが、私は記者会見のみ参加。
(帰宅できませんからねぇ




ボージョレ委員会ドミニク・ピロン会長も来日し、記者会見に臨みました。



2019年の出来については昨日も紹介しましたが、会長からも以下の話がありました。

春に霜、夏に霰、非常に乾燥した成長期、という試練があったため、生産量がとても少ない年となりました。
しかし、8月、9月の収穫前のタイミングれ晴天に恵まれ、ブドウは果実味を増し、糖度が上がり、良い状態で収穫をすることができました。

よって、フレッシュさ、果実味のバランスが良く、可能性を秘めた、将来有望な年、と会長は言います。

会見後には、13生産者のボージョレ・ヌーヴォー、ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォーが出され、私もいくつか試飲しましたが、果実味がピュアでかわいらしいスタイルのものが多いように思いました。



果実味がとーっても甘い!というもの、サラリと軽やかなものetc...と、生産者により個性はさまざまなので、飲み比べしてみると面白いと思います。




試飲にはありませんでしたが、ボージョレ・ヌーヴォーにはロゼもあります。
2006年に初リリースされ、最初の販売先は日本でした。
美しいピンク色のロゼは場が華やかになりますし、味わいもまた違ってくるので、ボージョレ・ヌーヴォーのパーティーをするなら、ぜひともロゼも加えたいところですね。





会見後は、ピロン会長とともにボージョレ・ヌーヴォーのラッピングバスに乗り、銀座周辺を走りました。



日本に数台しかないという旧式のバスだそうで、車内はボージョレ・ヌーヴォーのフラグでデコレーションされています。



11月24日頃まで、都内の各所をこのバスが走りますので、見かけたらぜひ写真を撮り、SNSに投稿してください。

インスタでの写真コンテストもあり、11/20から1週間、ボージョレと共に写した写真を投稿すると(ボトルや料理など、さまざまなシーン)、抽選でボージョレ・ヌーヴォーが50名に当たります。
ぜひ、タグを付けて投稿してください。
#ilovebeaujolaisnouveau



ちなみに、このバスには乗車はできません。見るだけです(笑)





ピロン会長の話では、ボージョレ・ヌーヴォーの始まりは、1950年代のパリだといいます。
パリジャンたちが、パリのビストロのカウンターで気軽に飲めるワインはないだろうか?と思ったことがキッカケとなり、果実味豊かで飲みやすいボージョレ・ヌーヴォーにスポットが当たりました。

その後、1960年代後半に、イギリス人がパリのビストロでヌーヴォーが飲まれている光景を見て、ロンドンのパブでもヌーヴォーが飲みたい!と思ったことから、ヌーヴォー人気に火が付きました。
ボージョレ・ヌーヴォーがの生産者が、競って、ロンドンにいち早く届けようとするようになったことで盛り上がり、メディアにも取り上げられたことで、アメリカ、日本、アジア諸国へもボージョレ・ヌーヴォーが広まりました。




現在、ボージョレ・ヌーヴォーは2200万本生産され、半分はフランス国内で、もう半分は輸出されますが、そのうちの50%が日本へ輸出されます。
つまり、ボージョレ・ヌーヴォーの生産量の25%が日本に入っています。

会長いわく、「ここ数年の世界的な傾向としては、濃いワインを好む嗜好から、もっとフレッシュで、軽く、繊細で、飲みやすいワインを求めるようになってきた。
生産者も、タンニンも樽香も強くなく、飲みやすいワインを造ろうとしている。
ボージョレは、これらすべてを満たしている」。

また、「ボージョレには1年を通しておいしいワインがある」と会長は言います。
ボージョレには10のクリュワインがあり、フレッシュさを楽しむヌーヴォーとは違い、クリュの個性や、熟成のおいしさを楽しめます。




ピロン会長もワイン生産者のひとりです。
会長のボージョレ・ヌーヴォーは、果実味がピュアで、繊細で、透明感があり、やさしいタッチのワインでした。
本拠地はモルゴン(Morgon)ですので、長熟の可能性のあるモルゴンのクリュボージョレも造っています。

日本は、ボージョレのワインは、どうしてもヌーヴォーのイメージが強いですが、熟成させてうまみの乗ったクリュ・ボージョレは本当においしく、しかもコストパフォーマンスにすぐれていますので、選ばない手はありません。



今は、ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日が11月の第三木曜日と規定されていますが、この日が公式な解禁日となったのは、1985年11月のこと。
日本では、ちょうどバブルに入る時期です。
日付変更線の関係で、日本は世界で一番最初に解禁のタイミングを迎えますから、これに目を付けないわけもなく、バブル期には解禁イベントが大いに盛り上がりました。

その後もヌーヴォー人気は続き、21世紀に入ってからも、1年の中で最も盛り上がるワインイベントとして根強い人気を誇ってきましたが、昨年くらいから落ち着いてきました。
以前は、消費者がワインを買うタイミングは、クリスマスや記念日、ボージョレ・ヌーヴォーなど、特別な時くらいしかありませんでしたが、ワイン居酒屋ブームで、ワインは日常に近いものになり、「特別感」は薄れてきました。

今は、選択肢も、飲む機会もたくさんありますから、あえてボージョレ・ヌーヴォーに目を向けなくてもいいか…、と思う人も多いかもしれません。

そもそもは、今年の新酒をお祭り気分で楽しむのがボージョレ・ヌーヴォーです。
現代では、ヌーヴォーの到来は、これから年末年始に向かうウキウキ気分を盛り上げるのに一役買ってくれるもの、でしょうか。




ボージョレ・ヌーヴォーの時期になると、本格的なワインシーズンに入ったなぁ、って感じます。
これから年末まで、あと1か月ちょっと。
ああ、なんか、せわしなくなってきたけど、おいしいワイン飲んで、あともう少し頑張ろう!ですかね(笑)




あ、「帝王」のワインも飲みましたが、とてもチャーミングでかわいらしい味わいでした。



ラベルデザインも多彩なので、気になったデザインのものを選ぶのも楽しいですね。


[参考]ヌーヴォーだけじゃない! 多彩なボージョレワインを楽しもう!
https://winart.jp/column/9079


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