ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

福田辞任&洞爺湖サミット晩餐会シャンパン事件

2008-09-02 18:15:46 | ワイン&酒関係雑記
昨日の防災の日に、首都直下型地震級の大きな打撃を与えたと思われる 福田首相の辞任発表 があり、なんとも無責任だわ・・・と私も思いましたが、それは置いといて、福田という名前を確実に後世に遺すことになった 「洞爺湖サミット」 を振り返ってみたいと思います。

といっても、政治的な内容ではありません。

実は ディナーに供されたワインで ひと騒動 がありました。



サミット初日の総理夫妻主催の社交ディナーでサービスされたシャンパンを紹介した外務省のプレスリリースや各メディアに対して、シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会(CIVC)からクレームが出されたのです。

それはこちらの箇所

「日本人が初めて設立したワイナリーで造られたシャンパンがサービスされた」(外務省プレスリリース)

「日本人が初めて設立したワイナリーで造られたシャンパンが供された」
(ロイター)



外務省のプレスリリース上からは、すでに問題のシャンパン名とそれに関する記述が削除されていますが、CIVCが名指ししたロイターの記事は依然として前のまま残っています。

ワイン関係者なら、すぐに「え?シャンパーニュに日本人の設立したところなんてないよねぇ?」と疑問に思うはず。

問題のシャンパンは 「Le Reve Grand Cru / La Seule Gloire Champagne」という銘柄で、コート・デ・ブランのChampagne De Sousaという生産者がつくったMAモノ

MA とは 「Marque d'Acheteur」(マルク・ダシュトゥール)のことで、ある顧客用にオリジナルブランドのラベルを貼って出した、いわばPB商品
例えば、ドゥーツ社のつくる「タイユヴァン」ラベルのシャンパンもMAです。



外務省は、件のシャンパンの発注元兼輸入元のうたい文句
「日本人による日本人のためのシャンパンブランド」をすっかり信じてディナー用ワインにチョイスし(誰かワインの専門家におうかがいを立てなかったのでしょうか・・・)、プレスリリースにも載せてしまったのでしょう。

そして、外務省のプレスリリースを見たロイターの記者もそう信じたわけで・・・


サミット以前のメディア記事については、ワインの専門家でないライターさんが、輸入元の資料を素直に信じて書いたというところでしょうか。



このシャンパン、昨年は芸能人ビッグカップルの結婚披露宴で出され、さらに洞爺湖サミットで採用と、大きな露出を重ねてきましたが、今回の件でマイナスの影響が出ているでしょうねぇ・・・


詳細はCIVCのニュースリリースをご覧ください


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4 コメント

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サミット (たーくん)
2008-09-03 04:55:27
洞爺湖サミットでそんなことがあったのですか。
チベット問題で中国とフランスがギクシャクしていた時、胡錦濤と食事をした福田首相がカリフォルニア・ワインを一緒に飲んだと言っていたのは憶えているのですが。

数年前、沖縄サミットで乾杯に使ったというココ・ワイナリーのスパークリング・ワイン「グラン・ノボ」を飲みに行った話は以前しましたよね。
思えば小渕さんの沖縄サミットからもう開催国が一巡したのですね。

当時、中学時代の同窓会(少人数制の私立で一学年60人しかいません)が盛んに行われていて、そこで再会して結婚した2人も離婚してしまいました。
つくづく時の流れを感じます。
収穫祭もその流れで行ったのですが、ぶどう棚の下にシート敷いて3本目の赤を飲んでいたことまでは憶えているのですが。
スパークリング・ワインは酔い易いのでしょうか?

返信する
シャンパン (まゆ@管理人)
2008-09-04 00:20:12
このディナーで出された他のものは以下4種です。

●磯自慢純米大吟醸中取り磯自慢酒造(静岡)

●コルトン・シャルルマーニュ 2005 ルイ・ラトゥール(白)
(Corton Charlemagne 2005/Louis Latour Bourgogne)(France)

●リッジ カリフォルニア モンテベロ 1997(赤)
(Ridge California Monte Bello 1997 Ridge Vineyards)(U.S.A.)

●トカイエッセンシア1999 キライウドヴァール(甘口)
(Tokaji Esszencia 1999 / Kiralyudvar Vineyards & Winery Tokaji)(Hungary)

なかなか幅広い、でも、ある意味王道なチョイスですね。

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スパークリングワインが酔いやすいか?ということですが、

乾杯などに出されることが多く、つまり、「すきっ腹状態」にアルコール投入しますので、胃壁からすぐに吸収されやすい状態であり、

チビチビではなく一気にクイーっと飲むことが多く、また、口当たりがいいので何杯も飲む人が出てくる、

ということから考えると、どう考えても酔いが早く回ってきそうですね(笑)
返信する
飲みたいなあ。 (たーくん)
2008-09-04 04:34:08
まゆみさん、いろいろ教えてくださりありがとうございます。

うーん、どれも飲んでみたいワインですね。
コルトン・シャルルマーニュもモンテベロもインターネットで1万6千円超くらいか。
買えない値段ではないけどちょっと勇気が要りますね。
何かの記念には良いかも。

思えば学生時代、学校の帰りに池袋西武の地下で母と同じ大学に通っていた姉と待ち合わせして覗いたワイン売り場のカーヴで当時5万のドンペリを見て、死ぬまでに一回飲んでみたいと思ったのを憶えています。
それが今では正月などにはピンクのドンペリでも飲めるのだから消費税の導入は満更悪いことばかりではないですね。
5万のドンペリが1万円以下になる様なことはもうないでしょうがせめてもう少しユーロ安になれば・・・
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ドンペリ (まゆ@管理人)
2008-09-04 21:36:17
ドンペリもお店によってはかなり安く買える場合もありますよね。
ただ、個人的には、自分でドンペリ買って飲もうとは思いませんが、飲ませてもらえるならウエルカムです(笑)
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