ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ試飲会リポート

2015-11-11 12:08:01 | ワイン&酒
イタリアはトスカーナ州を代表するワイン、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの試飲会が11月9日に都内で開催されたので、足を運んできました。

試飲したワインの画像を交えながら紹介していきたいと思います。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノとは、モンタルチーノ(地名)のブルネッロ(ブドウ品種)のワインで、ブルネッロとはサンジョヴェーゼ種のモンタルチーノでの呼び名です。

モンタルチーノはシエナの南に位置し、シエナがモンタルチーノとフィレンツェのちょうど中間くらいになります。

モンタルチーノは丘陵地帯にある美しい街です。今年の6月、私はフィレンツェとシエナまでは行きましたが、モンタルチーノまで南下することができず、残念!



モンタルチーノには、4つの原産地統制表示ワインがあります。

DOCG Brunello di Montalcino
DOC Rosso di Montalcino
Doc Moscadello di Montalcino
DOC Sant'Antomo


※モスカデロはモスカート・ビアンコからつくられる白ワイン
※ブルネッロ・ディ・モンタルチーノとロッソ・ディ・モンタルチーノはブルネッロ種
※サンタンティーモはシエナ州が推奨した全品種のブドウを使用可(例外あり)

今回は、名前に“Montalcino”とついた3つの原産地統制表示ワインが紹介されました。



左がロッソ・ディ・モンタルチーノ、右がブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。
首のシールが、それぞれDOC、DOCGと違うのがわかりますね。


(輸入元:Panta -rei)

ロッソ・ディ・モンタルチーノは収穫年の翌年の9月から発売できるので、今回の試飲会では2013年が多かったですが、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは収穫年の5年後の1月1日以降でないと販売できませんので、現在、市場に出ている最新ヴィンテージは2010年です。

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのリゼルヴァになると、6年後の1月1日となります。
リゼルヴァは毎年ではなく、良年のみ仕込まれることが多いです。


(輸入元:豊通食料)

早飲みできるロッソ~を実際に飲んでみると、これでも充分おいしいじゃない?と思いますが、続けて同じ生産者のブルネッロ~の方を飲むと、やはりブルネッロ~の方が、凝縮感、深み、複雑味があって、うまい!そりゃあ当然です(笑)



(輸入元:ワインウエイヴ)

価格を比べると、ロッソ~は3000円台から、ブルネッロ~は6000円台以降で、中には1万円前後のブルネッロもあります。
リゼルヴァになると、さらに価格は跳ね上がります。



今回いろいろ試飲して思うのは、やはり、飲むシチュエーションや目的で選び分けるのがいいですね。

ロッソ~なら、比較的手頃な価格で買えますから、週末や、気楽な持ち寄りワインパーティーなどに使えると思います。

ブルネッロ~は、ガストロノミーのワインだと思います。
果実味と酸味のバランスが心地よく、いい凝縮感があり、おいしい食事、特に肉料理が欲しくなります。
生産者に尋ねると、イノシシ、牛のステーキ(ビステッカ)とよく合わせるとのこと。
これからの季節なら、濃厚なソースの肉の煮込みなどもおいしそうです。
洗練されたリストランテのメイン料理にも似合う毛並の良さも感じます。

リゼルヴァは、正直に言うと、私にはちょっとtoo muchなところがあります。
2008年、2007年といったヴィンテージを試飲させてもらいましたが、まだ固く、カッチリしています。10年以上の年月が必要なワインだと思いますので、リゼルヴァは、市場に出てきたものを買っても、すぐには楽しめないかもしれません。セラーと懐に余裕のある人で、気の長い人ならいいと思います。忘れかけていた頃に、素晴らしいリゼルヴァが堪能できることでしょう。


(輸入元:MONACA)

よって、私が勧めるのは、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの2010年です。
良い年だったので、果実味に厚みがあり、今からおいしく飲めます。


(輸入元:フードライナー)

とはいえ、ブルネッロ~も、ものによっていいお値段しますので、選び方がポイントです。
7000円前後でもしっかりおいしい生産者がいます。


クセがあって個性的!好みが分かれるタイプ(輸入元:横浜君嶋屋)

一般消費者の皆さんが飲み比べをする機会は少ないかもしれませんが、イタリアワインフェアなどがあれば、ぜひ試してみてください。



フレスコバルディ家のカステルジョコンド(輸入元:日欧商事)




未輸入の生産者もたくさん来ていました。
私は左のPoggio Nardoneがジューシーで好きでした。



イタリアワインといえば“バローロ”も有名ですが、ザックリ説明すると、
バローロはタンニンカッチリ系で乾く感じ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、果実味と酸味が豊かでジューシー系で、ピノ・ノワールが好きな方、酸味が好きな方はブルネッロも気に入ると思います。


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