ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

映画「未来の食卓」が語るもの

2009-08-29 15:50:36 | 映画
美しい風景が広がる南フランスの田舎の村。
誰もが憧れ、その自然の中で癒されたいと思う農村で、まさかこんな深刻な問題が起きていようとは・・・



映画 「未来の食卓」 (2008年 フランス 112分)

南仏ガール県、ラングドック地方のバルジャック村で進めようとしていた
給食のオーガニック化 と、それを取り巻く人々と自然を1年間に渡って記録(2006年9月の新学期から2007年の夏休み前まで)したドキュメンタリー映画です。

冒頭でパリのユネスコ本部でのシンポジウムの様子が映し出され、現代人の罹る病気に関するさまざまな数値が紹介されます。

ガンにかかる人の数は年々増え、家族や近しい友人がガンになったという人は約7割に達し、子供のガン患者も非常に増えているといいます。
それも、フランスの美しい田舎の村で・・・

もうもうとした噴煙をあげながら殺虫剤を噴霧する農夫は、この作業をすると身体の具合が悪くなる、と語ります。

子供がガンになった、と語る父親や母親の悲痛な姿もありました。

美しい田舎の風景は農薬によって保持され、見た目はたしかに美しいのですが、土壌や川は農薬で汚染されています。
そうした環境にいる子供たちは、実は都会の子供たちより危険な環境にあるのかもしれません。

現代の子供たちは親の世代よりも健康的に劣っているかもしれない、とアメリカの科学者が発表していることが紹介されていましたが、実は、これは私が学生時代の友人たちと集まるとよく出る話題で、先日も、
「添加物たっぷりの食品を食べて育ってきている今の20代から下の世代は身体的にも精神的にも弱く、長生きできそうにない」、「いま元気な70、80代の方が丈夫で長生きしそうかも」という話をしてきました。

そんな子供たちを救うには?
子供たちの未来を守るためには?

自らもガンと闘った経験のあるジャン・ポール・ジョー監督が、生きるための「食」を取り上げた作品です。

およそエンターテイメントとはかけ離れ、観た後に考えさせられることの多い映画ですが、食にかかわっている人、子供を持つ親、これから子供を持つ世代の人は、(もちろん賛否両論あるかと思いますが)ご覧になることをオススメします。



オーガニックの給食「おいしい」 と喜ぶ笑顔の子供たちが印象的でした。

観終わった後の私の感想は・・・ 「こんな給食が食べたい!」


映画『未来の食卓』

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 十勝ワイン 凋寒 1985年 | トップ | 普段の食卓を「未来の食卓」に »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
観にいきます! (ちゃき)
2009-09-15 00:34:57
まゆさんこんばんは。
初めてコメントさせていただきます。
今オーガニックについて勉強していて、食育にも大う変関心がありまして、この映画を教えていただいてとても嬉しいです。

まゆさんもまた是非お話を伺いたいです。
料理王国購入しました!
じっくり読んでみます。

また感想ご報告します。
本当に有難うございました。
コメントありがとうございます (まゆ@管理人)
2009-09-15 20:20:24
ちゃきさん、コメント&料理王国のご購入、ありがとうございます♪

この映画は、観た後に、ずーんと重たくなりますが、
それでも気分が前向きになれると思います。

ぜひレディースデーを活用して、観に行ってきてください。

こちらこそ、またお目にかかれる機会があることを楽しみにしています。

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事