ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

フランス北ローヌの自然派ワインの若き生産者

2015-10-29 10:00:00 | ワイン&酒
過日都内で開催された試飲会で、非常に興味を惹かれる新しい生産者のワインと出合いました。


La Vrille et Le Papillon  ラ・ヴリュ・エ・ル・パピヨン
(France, Cotes du Rhone)

4アイテム紹介されていた中で、私がもっとも気に入ったのは、右から2番目のロゼです。
「Les Fees Papillons 2014」(レ・フェ・パピヨン)は、早めに収穫したシラーでつくったロゼワインで、ほのかに発泡が残っています。
味わいはフレッシュですが、うま味が乗っていて、コックリとした味わいもあります。
じんわ~りしみ込んでくる、輪郭がにじむような、やさしいワインです。
2400円

右端の白ワイン「Le Caprice du Chameau 2013」(ル・カプリス・デュ・シャモー)も、好きなタイプです。
ヴィオニエから造られています。なめらかでツルツルとしたテクスチャーの果実味が豊かで、ほっこりジューシー。包み込まれるようなやさしさがあります。
3200円

左から2番目は、シラーの赤ワイン「Tous Cousins 2014」(トゥー・クザン)。
これも口にしたとたんに、ウマイ!とつぶやいてしまいました。じわ~っとジューシー。
ここのワインって、カッチリというよりも、みずみずしく、ふっくらタイプが多いのか?
2700円

と思っていたら、左端の「Idée Reçue 2012」(イデ・ルスュ)は、カベルネ・ソーヴィニヨンの赤ワインで、樽で1年熟成させています。
味わいが濃く、甘みがあり、酸も充分あり、なめし革のニュアンスもあります。これまでの中では、もっともカッチリ系。
3000円




「ラ・ヴリュ・エ・ル・パピヨン」は、フランスのコート・デュ・ローヌ北部アルデッシュに2012年に設立した若いドメーヌです。

造り手のメリル・クロワジエールさんは、自然派の「マゼル」の弟子の弟子にあたる人物で、まだ30そこそこの若さだそうですが、写真を見ると、うーん…(笑)

そんな彼が、“パピヨン(蝶々)”という可愛らしい名とエチケットのワインをつくります。
なお、4アイテムは、すべてVin de Franceです。



メリルさんは、ブドウ栽培家だった祖父たち(父方&母方)の影響を受けて育ち、ワイン醸造士の国家資格を取得します。
マゼルをはじめとしたあちこちのドメーヌで修行後、自分のドメーヌを立ち上げました。

畑はすべてビオで、ケミカルなものは使用せず、発酵は野生酵母、ろ過や清澄は行なわず、SO2は必要最低限のみ使用します。

彼のつくるワインは、ほっこりやさしく、そして、おいしい。
メリルさんといい、ワインといい、今、とても気になっているドメーヌです。

※輸入元:株式会社ラヴニール


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