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ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

伊シチリアの2つのビオワイン生産者を紹介します

2019-12-04 18:46:12 | ワイン&酒

本日は、2018年11月に来日した、イタリアはシチリアの2生産者を紹介します。

どちらも未輸入で、日本での輸入元を求めてやってきました。

Antonello Cassara(アントネッロ・カッサラ社)と、Buceci(ブチェチ社)です。

 

 

 

Antonello Cassara は、シチリア北西部アルカモ(パレルモの西)の生産者で、現当主アントネッロさんの祖父ニッコロさんが1900年代初め頃から着手し、1930年代にワイン造りを始めました。

祖父の代からカンティーナ(醸造所)建設に取り掛かっていましたが、完成したのは2007年、アントネッロさんの代になってからです。

 

その前は、バルク売りのワイン醸造、1960年頃には濃縮果汁も生産する製造センターでしたが、1980年にカッサラ家として経営するワイナリーに転換し、本格的なワインづくりに取り組むことになりました。

そして、2007年にカンティーナが完成

 

現在は、18品種を生産し、70%がイタリア国内、30%を輸出しています。

輸出先は、アメリカ、ブラジル、欧州(ドイツがメイン)、中国など。

 

アントネッロ・カッサラさん

紹介してくれたのは、グリッロ100%の白とシラー100%の赤です。

 

Antonello Cassara  Cassara Grilllo 2017  Sicilia DOC

 

シチリア土着品種のグリッロ100%を使った白ワインで、欧州Bioの認証を取得しています。

グレープフルーツを思わせる心地よいビター感がある辛口で、フレッシュで、クリーンな印象です。

 

Antonello Cassara Cannitu Siraz 2016 Terre Siciliane IGT

 

シラー100%の赤ワインで、こちらもビオの認証を取得しています。

シラーは彼らにとっては長い間つくってきたので、ほぼ土着といっていいほど、とのことでした。

軽やかで、華やかで、スパイシーで、というスタイルでした。

 

 

BUCECIは、パレルモから南に約30kmの距離にある、DOCモンレアーレの生産地域にある生産者です。

この周辺は標高750~1000mと高く、ブチェッチでは、オーガニック栽培でブドウを育てています。

 

来日したフランセスコ・カデオーネさん

ブチェッチからも、白ワインと赤ワインを各1アイテムずつ紹介してくれました。

 

BUCECI Doncarme  Inzoria Chardonnay 2017  Sicilia IGT

 

標高1000mにあるビオの畑のインツォリア40%とシャルドネ60%をブレンドした白ワインです。

シャルドネは他の地域と土壌が違い、この畑は岩地で、ミネラルが感じられるワインになるそうです。

また、感慨をしていないので、凝縮度が高いブドウが得られるとのこと。

 

飲んでみると、香りはとてもいいのですが、味わいに、ミネラル、ヨード、ウニのようなニュアンスがあり、とても個性的な白ワインでした。

 

 

BUCECI Doncarme  Pinot Nero Cabernet Sauvignon 2013 Sicilia IGT

 

こちらも標高750~1000mのビオの畑で、ピノ・ネロ30%、カベルネ・ソーヴィニヨン70%のブレンド。標高が高い場所だからこそ、ピノ・ネロが栽培できるとのこと。

フランスのアリエ産バリックで12カ月熟成させ、力強さとエレガントさを表現させた、といいます。

2013年産なので、熟成感があり、味わいも濃く、余韻が長いので、料理も味がしっかりとしたものが合いそうです。

 

ちなみに、ピノ・ネロを使い、36カ月熟成させたロゼのスプマンテが近々リリース予定だとか。

これは気になりますね~

 

 

 

この2つのシチリアのオーガニックの生産者は、2018年11月時点ではどちらも未輸入でした。

日本の輸入元との良いご縁があることを期待しています。

 


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