ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

魅力的な北海道のワインを紹介します

2021-06-01 18:36:41 | ワイン&酒

北海道のワイン産地が最東端の根室までに! から続きます

 

現在の北海道のワイナリー数を47軒、昨日紹介した根室にワイナリーが開設されれば48軒、と書きましたが、ひとつ重要なことを忘れていました。

 

フランスのブルゴーニュ地方のVolnayを本拠地とするワイン生産者

「Domaine de Montille ドメーヌ・ド・モンティーユ」の当主エチエンヌ・ド・モンティーユ氏が北海道函館市の桔梗地区にブドウを植樹し(2019年)、数年後には函館の自社畑のブドウからワインを造る予定です。

 

ワイナリーの名前は「ド・モンティーユ & 北海道 de Montille & Hokkaido」で、ブルゴーニュと同じブドウ品種のピノ・ノワールが順調に育っているようです。

まだワイナリーとして開業していませんので、現在のワイナリー数にはカウントされていませんが、ここも加われば49軒になります。

 

これら以外にも、準備中のワイナリーはあるでしょうから、3年後には50を超えてくるでしょうか。

 

 

ド・モンティーユのようなブルゴーニュの名門が着目してくるほど、北海道はワイン用のブドウ栽培にポテンシャルのある土地、ということですが、イタリアの巨匠も関与していることがわかりました。

 

4月に東京ビッグサイトで開催された「ワイン&グルメジャパン」の北海道産ワインのブースで試飲したワインのひとつが非常にインパクトがあり、ブースの担当者に尋ねると、イタリア人が関わっているとのこと。

 

下の左のワインがそのワイン「LEGAMI Private Reserve」です。

 

左)LEGAMI Private Reserve Camel Farm Winery (Hokkaido, Yoichi)

 

「レガミ・プライベート・リザーブ」は、4種類のブドウ(レゲンド63%、レンベルガー25%、ツヴァイゲルト9%、ピノノワール3%)をブレンドした赤ワイン。

キャメル ファーム ワイナリーは、皆さんよくご存じの「カルディ コーヒーファーム」を展開するキャメル珈琲が運営するワイナリーでした。

 

 

カルディでは世界各国からワインを輸入していますが、イタリアワインの輸入の際にご縁があったのが、イタリアを代表する醸造家(エノロゴ)であるリカルド・コタレッラ氏だったようです。

コタレッラ氏には、私も数年前にイタリアを訪問した際に講義を聴く機会がありましたが、イタリアワイン界の超重鎮です。

そんなコタレッラ氏がかかわり、愛弟子のアンジェロ・トターロ氏が醸造長を務めるワイナリーだったんですね。

 

ワイナリー自体は、元々は山梨にあったそうですが、北海道のポテンシャルに気付いて2014年から北海道の余市でプロジェクトがはじまり、ワイナリー開業は2017年。

まだ若いワイナリーですが、元々ブドウ園だったところを引き継いでいるので、ブドウの樹齢は高いのかもしれません。

 

「レガミ・プライベート・リザーブ」を飲むと、うまみたっぷりで、飲みごたえがあり、これはかなりの上物。

価格を見ると、税込み5,500円と、いいお値段。

味わいからしても、デイリーにカジュアルに、というよりは、手の込んだ料理に似合うスタイル。

特別な機会に用意したい選択肢に入るワインだと思います。

 

 

 

「レガミ・プライベート・リザーブ」の隣にあるワインに、見覚えのある方はいらっしゃいますか?

以前に紹介した「山幸ーYamasachi」です

 

国際ブドウ・ワイン機構ーOIV(International Organisation of Vine and Wine)の品種リストに、日本の品種として3番目に登録されたブドウ「Yamasachi」のワインに、ここでようやく出合えました!

 

山幸 Yamasachi 2018 十勝ワイン

 

ヤマブドウらしい少し野性味のある風味の赤ワインで、ブース担当者の方は、エゾシカの料理に合わせて飲みました、と仰ってました。

それは私も試してみたい!

 

 

左の「羆の晩酌 2018」(ふらのワイン)もヤマブドウの交配品種「ふらの2号」とツバイゲルトをブレンドした赤ワインです。

北海道らしいヒグマのラベルと、買いやすい価格(税込み2,200円)が魅力的。

こんなワインがテーブルにあったら楽しいですよね

 

 

 

北海道らしい白ワインを、とリクエストして出していただいたのが、こちら。

 

北ワイン ケルナー 2019 千歳ワイナリー(北海道中央葡萄酒)

 

山梨県勝沼にある中央葡萄酒(グレイスワイン)の第2ワイナリーとして1988年に開設され、中央葡萄酒の三澤社長の息子さんが北海道の責任者を務めています。

 

このケルナーは、余市の木村ヴィンヤードのブドウを使っているとのこと。

果実味がしっかりあり、キレイな酸とのバランスがよく、安定した味わいで、ずっと飲んでいられるタイプ。

 

ケルナーはドイツ系品種ですが、日本の冷涼地に適しているということで、北海道の白ワインにはケルナーが多いですよね。

白ワイン好きとしては、複数のワイナリーのケルナーを並べて飲み比べしたいところです。

 

 

 

ほかにも色々と紹介されていましたが、全部を試飲できなかったのが残念!

どれも興味深いものばかりで、コロナが収束したら、ぜひとも北海道を回りたいものです。

 

コメント (2)
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