ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

料理と楽しみたいシャンパーニュ「デュヴァル=ルロワ」

2019-10-25 17:59:47 | ワイン&酒
ブログ開設5000日めに続き、5001日めの本日も、シャンパーニュの話題をお届けします。

今年の2月、「シャンパーニュ デュヴァル=ルロワ」 から副社長のジュリアン・デュヴァル=ルロワさんが来日し、都内でプレゼンテーションを行ないました。


Champagne DUVAL-LEROY

1859年、栽培農家のデュヴァル家とシャンパーニュのネゴシアンのルロワ家が共同で立ち上げた「デュヴァル=ルロワ」は、現在6代目になる家族経営のメゾンです。
来日したジュリアンさんのお母さんキャロルさんが社長を務めています。
5代目になるキャロルさんの夫が病死され、その後を継いだのがキャロルさんです。1991年、キャロルさん38歳の時でした。


Julien DUVAL-LEROY

キャロルさんには3人の息子さんがいて、長男がジュリアンさんです。
父が亡くなった28年前は8歳だったそうですが、現在は副社長としてキャロルさんを支えています。

ワインの世界は男社会ですが、なぜかシャンパーニュは女性がトップを務めるところがけっこうあります。
デュヴァル=ルロワもキャロルさんがトップですが、なんと、醸造責任者であるセラーマスターも、畑の栽培責任者も女性だそうです。
この女性パワーの中でジュリアンさんは頑張っているんですね
(奮闘ぶりが目に浮かぶよう… 合掌)

ということで、デュヴァル=ルロワを理解するキーワードは3つ

女性的
繊細
気品


デュヴァル=ルロワは、シャルドネの銘醸地コート・デ・ブランの南に位置するVertus(ヴェルテュ)に本拠地を置き、現在は200ha以上の自社畑を所有しています。
200haのうち、47%がプルミエ・クリュとグラン・クリュだそうです。

シャンパーニュでいち早くサステーナブルな農法に取り組み、現在もサステーナブルおよびオーガニックで栽培を行ない、また、シャンパーニュのメゾンで初めてISO90002(製造、据え付け、および付帯サービスにおける品質保証規格)を取得しています。

品質向上や環境保全などにおいて、色々な働きかけ、取り組みをしてきていますが、彼らが目指すのは、「食事と一緒に楽しむシャンパーニュ」

「とにかく、レベルの高いレストランに置いてほしかった。
努力の甲斐あって、今は300の星付きレストランで扱ってもらっていて、2年前からはルレ・エ・シャトー(*)のスポンサーにもなった」と、ジュリアンさん。
(*)一流のホテルやレストランが会員となっている、1954年にフランスで発足した非営利組織。

「料理とともに、を提案したい」ということから、今回、東京・青山のフレンチ「&éclé」(アンドエクレ)のオリヴィエシェフの料理と合わせながら試飲しました。


オリヴィエ Chef
※「アンドエクレ」の紹介記事は コチラ



右から(試飲の順番)DUVAL-LEROY
Brut Réserve NV
Fleur de Champagne Premier Cru Brut NV
FEMME de Champagne Grand Cru NV
Millésime Prestige Blanc de Blancs Grand Cru Brut 2006
Rosé Brut Prestige Premier Cru Brut NV




Brut Réserve NV は、「紅玉リンゴのバリエーション」と。

デュヴァル=ルロワでは、しっかり熟成させて飲み頃になってからリリースします。
「寝かせることで口当たりがデリケートで、泡がクリーミーになる」とジュリアンさん。

ブリュット・レゼルヴはデュヴァル=ルロワの他のシャンパーニュのベースになるキュヴェで、ピノ・ノワール60%、ピノ・ムニエ30%、シャルドネ10%という構成です。最低30カ月熟成させ、ドサージュは8g/L。

同社の基本の基本シャンパーニュですが、これでもうすでにおいしい!
リザーブワインを40%使っているからだと思います。
リンゴの香りがあり、グレープフルーツ、レモン、桃のニュアンスもあり、しっとりクリーミーで、フレッシュさと熟成感がいい具合に混ざりあっています。
甘酸っぱいリンゴのムース、カカオと合わせたリンゴ、パリパリの皮のリンゴのパイと合わせましたが、私のイチオシはリンゴのパイ




Fleur de Champagne Premier Cru Brut NV はクリーミーな「うに」と

シャンパーニュの畑の格付けがされた1911年ですが、シャンパーニュ初のプルミエ・クリュとして造られたのがこのキュヴェだそうです。ということは100年以上造り続けられています。
シャルドネ70%、ピノ・ノワール30%、熟成は30カ月以上で、ドサージュは8g/L。

キレイな柑橘の香りが出てくるキュヴェとのこと。
飲んでみると、シュッとして、とても繊細で、透明感のあるデリケートなタッチです。それでいて、芯の強さがあります。
これを飲んだ時に頭に浮かんできたのは、女優の榮倉奈々さんと水泳の池江璃花子さん。
健康的でシュッと伸びた印象があり、清々しさを感じました。
池江さんが病気を公表されたのは、これから数か月後のことでした。
早くお元気になっていただきたいですね。




FEMME de Champagne Grand Cru NV は、「ホタテ」と

ファム・ド・シャンパーニュは、グラン・クリュのブレンドです。
シャルドネ80%、ピノ・ノワール20%で、瓶内熟成8年以上です。
ドサージュは5g/L。
このキュヴェのベースワインは2004年で、10年寝かせています。

ボトルの形状は女性のボディラインを思わせ、ジュリアンたち3兄弟のイニシャルがボトルにエッチングされています。
母キャロルさんの愛情が詰まったキュヴェ、でしょうか。
柑橘の風味があり、ドライフルーツの風味もあり、ボディにメリハリのある味わいで、これを飲んでいて頭に浮かんだのは、女優の柴崎コウさん。




ホロホロ鶏胸肉のシュプレームソース&京人参

このメインには、Millésime Prestige Blanc de Blancs Grand Cru Brut 2006を。

6つのグラン・クリュの畑のシャルドネを使っています。
2006年ですから、熟成期間は10年以上?
ドサージュは3.6g/L。

これこそ、1本で食前酒からメインまで通して楽しめるシャンパーニュです。
しっかりとしたボディがあり、じわりとした旨味が乗ったリッチな味わいが楽しめます。




淡雪いちごと柚子のブリオッシュパンペルデュ&とちおとめソルベ

イチゴには、ロゼー Rosé Brut Prestige Premier Cru Brut NV がピッタリ!
ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%、熟成は30カ月以上で、ドサージュは10g/L。
とにかくチャーミング!
うんちくナシに飲みたいロゼ・シャンパーニュです。




デュヴァル=ルロワは、日本市場では30年以上販売されています。
途中で輸入元が変わることが幾たびかあり、2018年7月からは新たな輸入元となったアイコニック・ワイン・ジャパンが日本に入れています。

クオリティに対して価格が比較的手ごろなので、実を取る人にオススメです

※輸入元:アイコニック・ワイン・ジャパン

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする