お気楽ボランティア日記

楽しみながら、ボランティア   広がる、人の輪

驚きの人生相談

2009年06月14日 | 社会
 人生相談の回答と言ったら・・・

 まあ、最初は相談者の悩みに同調し、それから見方を変えたらなどとアドバイスし、最後は前向きに生きていけるように励ます・・・なんて言うのが多いのではないだろうか?
 その点、車谷長吉の回答は「常識はずれ」だ。

 朝日新聞の6月13日beの「悩みのるつぼ」回答を読んだとき、「朝日はこの人を回答者に選んで後悔してないんだろうか?」とさえ思った。

 4月の時も変人だな、自分の体験からだけ強引に論理を展開してるな、と感じた。それを、またしても繰り返す!

 教え子の女生徒に恋をしてしまうという、男性教師(40代)の悩みに車谷はこう答えるのだ。

 『破綻なく一生を終える人は、せっかく人間に生まれてきながら、人生の本当の味わいを知らずに終わってしまいます。気の毒なことです。』(まあ、ここくらいは私も同感できなくはない)
 『破綻して、職業も名誉も家庭も失った時、初めて人間とは何かと言うことが見えるのです。』(うん、そうだろうなあ!)

 『あなたは高校の教師だそうですが、好きになった女生徒と出来てしまえば、それでよいのです。』(ええーーーっ!)

 『そうすると、はじめて人間の生とは何かということが見え、この世の本当の姿が見えるのです。
 せっかく人間に生まれてきながら、人間とは何かということを知らずに、生が終わってしまうのは実に味気ないことです。』

 最後の締めは、
 『阿呆になることが一番良いのです。あなたは小利口な人です。』

 車谷は『姦通事件を3遍起こし、人生とは何か、金とは何か、と言うことがよくよく分かった』と、実体験から出た回答であることを明かした。
 しかし、車谷のこの事件は自分にとっては作家としてプラスだったかもしれないが、その陰で多くの魂を傷つけずにはおかなかっただろう。

 人生は破綻させようと思って破綻するのではない。順調に運んで欲しいと思っても破綻してしまうことがある。その時は、試練を乗り越えるべく力を尽くす中で、順調に進んでいたときには分からなかった味わいが味わえることだろう。

 この高校教師は恋心にうしろめたさを覚えつつも、押さえられない苦しさを語る。実際に行動を起こそうとしたこともあるが、現在はまだ気持ちの上だけですんでいる。
 私は、教師として、夫として、父親として、人間として、一時的には苦しいかもしれないが、押さえるべきだと思う。それが大人だと思う。
 もし、車谷のすすめ通りに行動したら・・・どれだけ多くの人を傷つけるのだろうか?単に世間から「阿呆」呼ばわりされるだけの問題ではないのだ。

  明川哲也なら、どう回答しただろうか?知りたい!
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