土曜日、話題の映画を見てきました。
想像していたよりは「普通」の映画で、心はグサグサ痛みましたが、目を背けたくなるような描写はなく終わりまで冷静に見ていられました。
というのも、このカトリック神父による小児への性的虐待についてはかなり前から知っていたからです。とはいえ、ボストングローブという新聞社がこの事実を特ダネとして追いかけ、発表していたことは初めて知りましたし、さらにベネディクト16世の退位の原因となったとも言われていること(虐待をもみ消した)は改めてショックを受けました。
事件を追いかけていた記者は「スポットライト」欄を担当する4人。宗教という聖域に、記者魂で向かっていくわけですが、被害者の話を聞くうちに正義感も加わって次第に取材に熱を帯びてきます。そしてやっと証拠をつかみます。
しかし、発表を迫る記者に対してリーダーはストップをかけます。「我々の闘いは、一人一人の神父ではなく、組織そのもに対してだ」というのです。初めはごく一部の神父の仕業と思われていた虐待が、調べるにつれてその数がふくれあがって、地域も広がって行く様は、恐かったです。
更に、性的虐待を受けた子どもの多くが、母子家庭で、貧しかったことは許せない気持ちでしたし、そしてこの子ども達が成人してもずっと虐待のトラウマに悩み苦しみ、自殺する人もいたと知って本当に辛かったです。
神父は虐待が発覚すると、どうなるか?・・・その殆どは教区を異動させられるだけです!異動先でまた同じ事が繰り返されたら、また異動!・・・こうして表沙汰にならないように闇から闇へ・・・虐待される子どもは増えるばかりです。ある神父は一人で130人をレイプしていたそうです!・・・まさに、止まるところを知らない「組織的犯罪」です!
エンドロールで、性的虐待が判明したアメリカの都市の名が延々と流され、この犯罪が全米規模であったことがわかりました。勿論、他国でも多くのところで・・・日本はなかったように思いますが・・・
このスクープ記事の後、カトリック教徒は300万人減ったそうです。
帰り道で思いました。確かにひどい話しだったけど、これは神父に限ったことではなく、日本でも昔は寺院などで当然のように行われていたし、稚児という存在もありました、今でも小児への性的虐待は世界各地で行われていて、なくならないのは何故なんだろうと・・・(神父の場合、妻帯を禁止しているということもあるかもしれませんが)
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