双子の目が忘れられない映画「悪童日記」を、新宿シネマカリテで友人と見てきました。
アゴタ・クリストフの原作を読んで衝撃を受けたのは、何年前だったか・・・・まさか、今頃映画化されるとは! あの頃、同じように衝撃を受けた友人Kさんは、すでに知っていました。
あの、戦争で祖母の家に預けられた少年たちが、過酷な世界を二人で生き抜く有様を、まるで当時そのままの姿で差し出されたように錯覚する映画でした。
原作と同じように、感情やら、内面の葛藤などないかのような乾いた表情で、淡々とやるべきことをやる二人。それがたとえ、人を殺すことであっても・・・一つ一つのエピソードはもう忘れていたので、新鮮な気持ちで見ました。
それにしても、主人公の双子を演じた少年たちは、いわゆる子役ではなく、本当に貧しく、家庭的にも恵まれない子どもたちが抜擢されたとパンフ(映画のパンフ購入は久しぶり!)にありましたが、こんなにこの役にふさわしい子がいたなんて驚きでした。
悪童日記は三部作ですが、あとの二作も映画化されるのでしょうか・・・見たいような、見たくないような・・・・
もう一作はインド映画で「めぐり逢わせのお弁当」で、こちらは近所のアルテリオで。
いろんな意味で面白い映画でした。
まずは、インドの臭いがプンプンと臭ってくる映画でした。あの物凄い人混み、雑踏、スパイスのきいた料理・・・昔、インドに行ってカルカッタの空港を降り立ったとたんに臭ってきたのと同じ臭いがしたような気になりました。
それと、インドの人たちの服装。典型的な女性、男性、仕事人の服や、小学生の制服など、どれもやっぱりインドを思い出させてくれて懐かしかったです。
お弁当を配達するという制度があることは初めて知りました。この配達の誤配で始まる物語は、ちょっと不自然だなあと思う箇所がいくつかありましたが、それを上回るお話のおもしろさで最後まで目が離せませんでした。
手紙のやりとりで交流を深めるというアナログさも新鮮でした。
一番面白かったのは、最後まで姿を現さない、女性主人公のおばさん。階上に住んでいて、彼女の生活にいちいち口出ししてくるのですが、そのやりとりがユーモラスで、かつ現実味があって、この映画のスパイス役をしていました。
どちらの映画も、いつかもう一度見たいと思わせてくれる映画でした。
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