拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

♪このーて、だれのて、きになるて(パート2)

2022-12-03 09:15:26 | 音楽

以前出題したとき、正解者はゼロ。一番多い解答は「私自身の手」。そりゃあ、「独りボエームごっこ」(右手がロドルフォになり、左手がミミになって、右手が左手を握って左手が「はっ」と言うと、右手が「Che gelida manina……」と歌い出す遊び)をするワタクシであるが、レストランにおいても自作自演をしていると思われるのもしゃくだから、手の持ち主のご了解をいただき再出題とあいなった。え?そもそもお前のことなど「気にならない」?これに対する受け答えとして上がった候補は二つ。「こりゃまた失礼いたしましたっ」と「それを言っちゃあおしまいよ」。結論がつかないので両論併記する。実は、この席は、過日、某打上げに行きそびれたことのリベンジであった。

因みに、私が「気になってる」のはフョードル・パヴロヴィッチ・カラマーゾフ。カラマーゾフの兄弟の父親である。悪ふざけにあけくれていて、わかーい女性を長男ととりあうヒヒ親父。しまいには自らの婚外子によって殺される。この人物を、これまで「カラマーゾフの兄弟」を読むたびに忌むべき人間だと感じていた。が、このたび、この小説を、何度目になるのか、とにかく読んでいて、このヒヒ親父の気持ちがこれまで以上によく分かって妙に愛着を感じるのである。フョードル・パパは、事件当時まだ50代である。わっか!と感じる歳に自分がなったことも影響しているのだろうか。

さて。昨夜訪れたイタリアンは、神楽坂にたくさんあるイタリアンの一つ。ボローニャ風をウリにしているらしく、なかなか美味であった。

例えば、白子を揚げたヤツをボローニャ風のスープに和えたやつとか

ボローニャ風のカツレツもあった。

一口サイズに切った後なので原型をとどめてないが、分厚いトンテキの上にハムが乗ってるのがボローニャ風ということ。因みに、ミラノ風は肉を叩いて薄くするのだが、その点ヴィーナー・シュニッツェルと同じで、違いは、ミラノ風はトマトソースをかける点にあるらしい。

さて、ワインである。「きになる手」の写真に写っているバルベーラ・ダスティを空けた後、次の一本は何にしよう。ここはお店の人のお奨めに従おう。私は、大昔にワイン関係の仕事をしているからワインのことは知らなくはないが、我を通さずにこだわってそうな店主の勧めを素直に聞くと「当たり」に当たるものである。昨夜も「当たり」であった。

「美味しいですよ」と言った店主の言は本当だった。香りをかいで「樽香」?と言い当てた「手の持ち主」もさすがであった。とにかくいい店である。練習の後にいく店の候補(優良な候補)が一つ増えて大収穫の夜であった。