拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

37歳からだーいすき(皇帝)

2020-01-22 09:45:13 | 音楽
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番が好きだったのなら、第5番(皇帝)はどうだったかというと、派手で格好いいなとは思ったがさほど好きな曲ではなかった。第3番の方がまだ好きだった。この曲を知ったのは中学のとき。入学式だとか卒業式をしきってた先生がベートーヴェン好きで、式でえらく派手な曲をBGMで流すなと思って、もしや「皇帝」?と思って楽譜で確認したら当たっていた。それが好きになったのは忘れもしない、新聞のコラムに「ベートーヴェンは「皇帝」を37歳のとき書いた。そのときベートーヴェンは恋をしていた」とあったのを読んだ時。ちょうど私は37歳だった。前の年に離婚をして、これから再婚相手を探すぞーと息巻いていたときだった。だからだろうか、その記事が妙に心の琴線に触れて、すると、前から好きだった第2楽章はいっそう好きになったし、派手なだけと思っていた第3楽章に山ほどの色気を感じるようになった。あっという間にマイ・フェイヴァリットになって今に至る、である。しかし、ここに三つの疑義がある。その1。今、ウィキペディアを見ると、ベートーヴェンが「皇帝」のスケッチを描き始めたのは1808年の末だという。すると38歳だ(ベートーヴェンは1770年生まれ。だから歳の計算は簡単である。今年は生誕250年だ)。えーっ?「37歳で作曲」は私にとって肝の部分である。なのに違っていた?そう言えば、あの新聞は独断的な記事をよく書く。だが、考えてみれば、1808年でも誕生日が来てなければ37歳である。ベートーヴェンの誕生日は12月16日。スケッチの開始が12月末。うーん、微妙である。まあしかし新聞が「37歳」と書いてくれたおかげで私はこの曲の良さに気づいた。疑惑は残るが良しとしよう。疑惑その2。日本人はこのコンチェルトを「皇帝」と呼ぶが、ではドイツ人は「カイザー」と呼ぶのだろうか。聞いたことがない。そのはず、この曲を「エンペラー」として広めたのは英語圏だそうだ。ということであっさり疑惑は解消。因みに、同じ第5番でも交響曲の「運命」については、「この曲を『運命』と呼ぶのは日本くらいのもの」と言う人がいるが、「Schicksal Symphonie」でググるとドイツ語のサイトがいくつかヒットするからドイツ人も言わないこともないらしい。「運命」と言えばもう一つ。スターウォーズのダースベイダーが我が子のルークに、「仲間になれ。It is your destiny」というシーンが印象的だった(第2作、エピソードⅤだったよな)。疑惑その3。37歳で再婚の意欲に燃えていた私がなぜ今でも一人ものか。これは話せば長くなる。特別な関係になったら教えてあげる……とか言って、2時間前に会った人にも飲み会でぺらぺらしゃべっている私である。受けるためには自らのプライバシーでさえ切り売りする私は芸人魂の塊である(?)。