拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

寅のアリアで泣く

2020-01-02 11:26:51 | 音楽

一品くらい正月気分をと思ってクワイを買って素揚げにした。さて、大晦日に続いて元旦も映画館に行こう、寅さんの最新作を見ようと思ったらBSで寅さん映画3作品の放送が始まったんでそっちを見ることにして最新作は今日以降に持ち越し。その3作品の中には第15作(寅次郎相合い傘)があって、マドンナ役は寅さんにマドンナとして最多出場の浅丘ルリ子さん。計4回出たうちの第2作である。リリー(浅丘ルリ子)は他のマドンナとは違う。きっぷがいい。寅さんもリリーの前では素が出る。丁々発止のやりとりを聞ける。だから、寅さんはリリーと結婚すればいいのに、と思った。昨日の第15作でもリリーが寅さんと結婚してもいいとうちあけるが、寅さんが照れてしまっておじゃん。寅さん、振られてばかりというけれど、いざ、チャンスが巡ってきても自分で引っ込んじゃう。草食系?そう言えば、最終作では、マドンナ4回目の浅丘ルリ子さんが渥美清さんの具合がよくないんで山田監督に本作で結婚させてくれ、と何ども頼んだそうだ。実際、物語の最後に寅さんはリリーと同棲をしていた。でも夫婦になってないだよなぁ。内縁夫婦にはなっていたのだろうか。寅屋の面々も寅さんとリリーさんがどういう関係なのか気に病んでいた。あなたねー、いい歳の男女が同じ屋根の下で暮らしてるんだから何もない方が不思議だと思うのだが、そういう話にはならない。やはり寅さんは草食系なのか。それも究極の。第15作の話に戻る。本作には有名な「メロンのシーン」がある。寅屋のみんなが寅さんの分を残してやらないでメロンを食べてるところに寅さんが帰ってきて怒るってシーン。渥美清さんが唯一徹子の部屋に出たときに言っていた。渥美清さんは自分の映画をいろんな場所でお金を払って見るのだそうだ。場所によって異なる客の反応を見るためだそうだ。件のメロンのシーンは、山の手の映画館では爆笑。しかし、下町では客は笑わない。なんで寅さんの分を残し置いてやらないんだ、と寅さんに同情するのだそうだ。私は泣きましたよ、昨日、正月から。悲しい映画だなー、と思って。因みに、寅さんが寅屋の面々にマドンナのことを切々に話す長口上を「寅のアリア」と呼ぶのだそう。比類のない語り口である。そのアリアとは関係ないが、渥美清さんは歌も上手かった。劇中、口ずさんでは「……とくらぁー」を付ける。吉永小百合がマドンナのときは「いつでも夢を」を歌っていた。実は、黒柳徹子さんはプライベートでも渥美清さんと仲が良かった。渥美清さんが自分の映画を見に行くうちの一回は黒柳徹子さんと一緒に行ったそうだ。で、山田監督は、黒柳徹子さんを最後のマドンナとしてとっておいた、と徹子の部屋で言っていた。寅さんがリリーさんと添い遂げられなかったのはそういう事情があったから?三角関係じゃん!