鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

2020年の巻頭を飾ったマーラーの交響曲第2番「復活」のN響演奏会に深く感じ入った

2020-01-12 | Weblog

 11日は東京・渋谷のNHKホールでのNHK交響楽団の第1930回定期演奏会に出かけた。数年前からホールの最上階の一番奥あたりのE席に陣取って、双眼鏡片手に聞き惚れるということにしており、この日も開演の30分前に入場し、一番後ろから2番目の席に就いた。ところが、いつになくしばらくして混み始め、開演の数分前にはほ満席となってしまった。すると、会場内に「本日は満席である」とのアナウンスが流れた。こんなことは初めてのことだった。定時の午後6時になると、会場内に合唱団のメンバーが登壇し、続いてN響の演奏者が順次入場した。

 この日の演目はグスタフ・マーラーの交響曲第2番ハ短調「復活」で、指揮者のクリストフ・エッシェンバッハが登壇し、演奏が始まった。この交響曲第2番は自らの精神世界を音楽で率直に表現し続けたマーラーが生涯にわたり対峙した生と死の問題に真正面から取り組んだ作品であるとされており、冒頭から耳目をそばだてさせる激しい楽曲が繰り広げられ、聞いている者を飽きさせない。テンポ早く弦楽器の響きが奏でられるか、と思うと次は金管楽器の音色が会場いっぱいに響き渡る。

 マーラーがとらえる生と死がこんなものなのか、と聞き惚れていると、第3楽章が終わったところで、ソプラノのマリソル・モンタルヴォとメゾソプラノの藤村実穂子が入場し、合唱団の前に作られた2人用の座席に着席した。そして第4楽章と第5楽章の「最後の審判」のところで、後ろの合唱団とともにこの交響曲のハイライトである復活を華麗に歌いあげた。第5楽章では舞台の右手に設営された当節舞台に新たに8人のトランペット演奏者が加わって他の金管楽器軍と神々しい生への讃歌を奏でたのが特に印象に残った。

 演奏時間の90分いっぱいを総勢200人で壮大に演じきったのはまさに壮観であった。マーラーの交響曲は演奏が難しいといわれているが、眼前でその演奏ぶりを見て拝見して全くその通りである、と思った。指揮者のクリストフ・エッシェンバッハ氏は1940年ドイツのプレスラウ生まれで、ことし80歳になる大指揮者である。2020年の巻頭を飾る名演奏会だった、と深く感じ入った次第である。

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