鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

米公聴会への出席を渋る豊田社長に社長失格の烙印

2010-02-19 | Weblog
 トヨタ自動車の豊田章男社長が2月下旬に開かれる米議会の公聴会への出席を渋っていることが問題となっている。トヨタ車に対する一連の問題について改めて企業トップに真意を質したい、との米国議会の意向に対して、トヨタは社を挙げて逃げているわけで、企業トオプといsてはあるまじき行為とも思えてくる。米国では企業のCEOは絶対的な権力を持っており、当面する問題から逃げるような経営者はありえず、トヨタは経営不在と見られてもい仕方がないだろう。
 17日トヨタ東京本社で行われた記者会見で米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が法的に資料提出を請求してきたことに対する社長コメントを求められると、回答したのは佐々木真一副社長で、「誓って、米国の法令や社会通年でやっていけないことは一切していない」と答えたが、海外メディアを含む約290人の記者団の納得は得られず、堪らず記者団は米公聴会への出席を尋ねたが、豊田社長は「公聴会への出席者は北米トヨタの稲葉社長が一番適任だから召喚された、と思う。私は本社でバックアップしたい」と答え、満場の失笑を買った。
 米運輸省の関係者が「今回の調査の究極の意図はトヨタ自動車に制裁金を課すかどうかを見極めることだ」と語っており、そもそも米議会は一連のリコール問題に対するトヨタ社の対応が適切だったのかを問題視いるというのに、トヨタ社のこの対応はなっていない。今回のリコール問題が発覚した当初は技術担当の役員が「技術的には問題なく、運転者の感覚の問題だ」と突き放した発言をしていたのも問題といえば問題である。
 一北米地域の社長がトヨタ全体の戦略なり、技術的な問題について、米議会で答えられるものなのか、置かれた状況を考えれば一目瞭然である。なのに、トヨタ自動車はあくまでも社長を温存しよう、と考えているようで、外から見ると、社長はまだ経営者として見識を備えていないから、ここは公聴会への出席を見合わせよう、としているようにしか見えない。
米国では一般に企業の抱える問題を一手に引き受け、解決を図るのがトップの役割りで、社長たるものはそうでなくてはならない、と考えられている。だから、トヨタ本社の問題を一地域の社長が代わって答えるなどは論外である。日本の企業トップは周りが支えて、御神輿的に座っているだけなどという理解はまるでない。
 大政奉還で、トヨタ家の御曹司の豊田章男氏を社長に迎えたのはいいが、これまでの1年間、帝王学はおろか、碌に社長としての修練を積んでこなかったことの証左と受け取られても仕方がないだろう。
 今回、トヨタ自動車の役員がマスコミの記者会見の場に現れて、その話しぶりなり、挙措をテレビで見ることが増えたが、どの役員もそこいらの部長クラスの風貌しかしていなくて、とてもこれがあのトヨタ自動車を引っ張る役員なのか、と目を疑うようなことが多かった。随分昔になるが、松下電器産業の役員陣がズラリと並ぶ場に居合わしたことがあったが、どの人もおよそ上場トップクラスの企業の役員であるような感じがしなくて、同族企業の役員はこんなものか、と思ったことがあったが、次々と出てくるトヨタの役員の顔を見ていて、そのことを思い出した。
 世界に冠たるトヨタ自動車の役員といっても、GM(ゼネラル・モータース)を追い抜いて世界一となってからは目標もなく、単に世界シェアを増やすことだけに邁進し、もっぱら社内政治に明け暮れてきたのではなかろうか、という体たらくである。
 米マスコミのトヨタ社に対する批判はこんなものではないだろう。公聴会への出席を渋る豊田社長はおよそ企業トップとしては失格である、との烙印すら押されねない状況となっている。豊田社長は「出席は先方からのご指名によるので、その段階で考えたい」としているが、もはや公聴会への出席はトヨタ社の命運をかけかねないところまできている。 

追記 19日朝になって、トヨタ自動車は米公聴会への豊田章男社長の出席を発表した。豊田社長の「ご指名があれば、出席する」との言明を受けてか、米議会下院の監視・政府委員会のタウンズ委員長が24日に開く公聴会に豊田社長を正式に招致し、19日朝(日本時間20日朝)までに回答を求めたたからである。しかし、これまでの経緯から、豊田社長が米議会の公聴会で毅然たる意見の表明ができるかははなはだ心もとない。日本国内のトヨタ寄りというか、トヨタに弱いマスコミや政府と違って、満面敵に囲まれた中で冷静に社長としての会社のヴィジョンなり、対応を話せるとはとても思えない。しかも、米国内には出席に至るまでの豊田社長優柔不断な対応は記憶に残っており、ここでも経営者失格の烙印を押される事態を引き起こすことが目に見えている。
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