鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

宇宙人、鳩山由紀夫首相を証明した沖縄訪問

2010-05-05 | Weblog
 鳩山由紀夫首相が4日、 沖縄入りし、仲井真弘多沖縄県知事らと会談した。5月末までに沖縄・普天間の米軍基地移設問題を決着させるとの重い課題を背負っての覚悟の訪問だったが、鳩山首相の口をついて発せられた言葉は大方の期待を裏切る「沖縄県内移設」で、ここ数カ月国をあげて費やしてきたことが何だったのか、と周囲を落胆させた。首相就任以来初めての沖縄訪問で、一部に事態を打開する秘策でもあるのではと期待もあったが、見事にその期待は打ち砕かれた。
 これまでも党首討論など国会の場で、鳩山首相は職を賭して「沖縄・普天間移設問題」に取り組む姿勢をみせ、解決に向けての腹案なるものがある、とまで言明していた。そうしたなかでの沖縄訪問だった。ところが、仲井真知事や高峰善伸・沖縄県議会議長、稲嶺進・名護市長らとの会談で、明確な政府案を示すには至らなかったものの、普天間飛行場の機能の一部を沖縄県内に移設させる方針を表明した。具体的には名護市辺野古沿岸部に桟橋を構築するほか、鹿児島県徳之島に移設させる内容のようであるが、民主党は政権を獲得する以前から、「海外、もしくは県外移設」を標榜してきただけに明確な公約違反であるうえ、解決の期限である5月末まで1カ月を切ったこの時期になんらの秘策も持たず、手ぶらで現れ、なおかつぬけぬけと到底受け入れ難い案を語る鳩山首相に対する失望感がより広まった。
鳩山首相は宇宙人と揶揄されているが、宇宙人どころではない。宇宙人を超えた天然ボケといわざるを得ない。世界のどこに一国の首相に猿芝居の主役を演じさせて、物笑いの種とする国があるのだろう、と思う。中国に抜かれたものの、日本はれっきとした世界第3のGNPを誇る経済大国なのである。その日本の行く末を左右する政治の舵取りをする首相が国民の誰からも侮られる人物であるとはまさに信じられないことである。400人近くいる民主党の国会議員のなかに鳩山首相のために身を挺して守ろうとの姿勢を見せる人がいないのも不思議なことである。もちろん、周りに然るべき人を置いてこなかった鳩山首相こそがその責めを負うべきである。そして、本人がそうした備えをしてこなかったのなら、組織としての民主党がそうすべきだっただろう。民主党の首脳陣のだれもが次の首相をうかがっていて、それどころではなかったというのなら、民主党には最早政権担当能力はない、ということだろう。そんなことになれば、自民党にも同じような傾向がみられたから政権交代となったわけなので、政治の不信を加速することとなろう。
 鳩山首相は就任早々から中国、韓国など東アジアが一体となって米国とあたる構想を掲げてきた。その東アジア構想のなかで、沖縄・普天間基地を位置づけ、移転先を探るようなことをしてこなかったのか。土壇場のこの時期になって、核抑止力の観点を持ち出されてもいまさらの感は免れない。宇宙人政治家と言われても仕方ないだろう。
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