東野圭吾の最新作「夢幻花」を読んだ。ネットで注文したところ、到着するまで2週間かかったので、制作上でなにかトラブルがあったのかと思っていた。奥付けを読むと、「歴史街道」に掲載されたのが2002年から2004年にあっけてなので、ほぼ10年前で、その後起きた3.11の東日本大震災のことが織り込まれているので、かなり書き直しが加えられているようだ。それで刊行が遅れたわけではないだろうが、東野圭吾にしてはいつものテンポの良さが伝わってこず、どこかぎこちない感じがしてならなかった。ただ、ミステリーとしては面白かった。
「夢幻花」は幼少時代に浅草の朝顔市に家族全員で毎年連れていかれていた少年、蒼太と同じように家族連れで来ていた少女と知り合い、付き合いを始めたら、親に知られて進学に差し支えるということで少女と別れてしまうところから始まる。その後、大きくなった少年は大学の工学部原子力工学科に進み、3.11大震災が起きたことで、就職先を含め進路に悩む。もうひとりの主人公の梨乃は大学に学ぶ水泳選手でオリンピック出場を嘱望されていたが、突如泳ぐのが嫌になり、泳ぐのをやめてしまっていた。そんな折り、梨乃の兄が突如、自殺してしまう。
その理由がわからないまま、梨乃は祖父の秋山周治のところへ顔を出すようにしていたら、今度はその祖父が殺されてしまう。祖父は生前、黄色い花を咲かせ、喜んでいたが、亡くなってその花が失くなっていることに気が付き、警察に訴えるが、最初は見過ごされてしまう。その花こそが幻の花と言われる夢幻花というわけで、植物愛好家の間で密かに取り沙汰されていた奇跡の花だった。朝顔の一種で、黄色い花をつけ、江戸時代には貴重な品種としてもてはやされたことがあった、という。
ところが、物語の最後になってこの花の種を食べれば幻覚症状を起こし、一種の麻薬ともなることがわかり、一挙に自殺した蒼太の兄のバンド仲間が犯人であることになるが、この間、蒼太の兄が実はずっと前からこの謎の花を追っていた警察官で、蒼太の家は代々そうした使命を負っていたことや、少年時代に知り合った少女の家もその関係の医者の家だったこと、それに蒼太の母親がかつてその花の種を常用して幻覚症状を起こし、殺人事件で死んだ両親の残された唯一の生き残りだったことなどが判明するなど物語は一挙に暗転明転する。
最後に主人公の蒼太が原子力工学の分野で働いていくことを決意したことと、兄の遺書のなかで励まされて梨乃までが再び水泳を始めたのはいつもの東野圭吾にしてはハッピーエンド過ぎて逆に違和感を感じさせた。それと、作者は3.11大震災が起きたことで、大幅に修正、書き足したことがいつもの快調なテンポを狂わせたことだろう、と思った。夢幻花云々は多分、作者、東野圭吾の創作なのだろう、いくらネットなり、辞典で検索してもそれらしい表記には見当たらなかった。それにしても夢幻花という単語をこれだけ広めた東野圭吾はすごい、とも思った。
あと、途中でMM事件という表現が出てきて、米国の女優、マリリン・モンローであることが書かれていたが、マリリン・モンロ-が死んですでに50年が経過したことに改めて驚いた。
「夢幻花」は幼少時代に浅草の朝顔市に家族全員で毎年連れていかれていた少年、蒼太と同じように家族連れで来ていた少女と知り合い、付き合いを始めたら、親に知られて進学に差し支えるということで少女と別れてしまうところから始まる。その後、大きくなった少年は大学の工学部原子力工学科に進み、3.11大震災が起きたことで、就職先を含め進路に悩む。もうひとりの主人公の梨乃は大学に学ぶ水泳選手でオリンピック出場を嘱望されていたが、突如泳ぐのが嫌になり、泳ぐのをやめてしまっていた。そんな折り、梨乃の兄が突如、自殺してしまう。
その理由がわからないまま、梨乃は祖父の秋山周治のところへ顔を出すようにしていたら、今度はその祖父が殺されてしまう。祖父は生前、黄色い花を咲かせ、喜んでいたが、亡くなってその花が失くなっていることに気が付き、警察に訴えるが、最初は見過ごされてしまう。その花こそが幻の花と言われる夢幻花というわけで、植物愛好家の間で密かに取り沙汰されていた奇跡の花だった。朝顔の一種で、黄色い花をつけ、江戸時代には貴重な品種としてもてはやされたことがあった、という。
ところが、物語の最後になってこの花の種を食べれば幻覚症状を起こし、一種の麻薬ともなることがわかり、一挙に自殺した蒼太の兄のバンド仲間が犯人であることになるが、この間、蒼太の兄が実はずっと前からこの謎の花を追っていた警察官で、蒼太の家は代々そうした使命を負っていたことや、少年時代に知り合った少女の家もその関係の医者の家だったこと、それに蒼太の母親がかつてその花の種を常用して幻覚症状を起こし、殺人事件で死んだ両親の残された唯一の生き残りだったことなどが判明するなど物語は一挙に暗転明転する。
最後に主人公の蒼太が原子力工学の分野で働いていくことを決意したことと、兄の遺書のなかで励まされて梨乃までが再び水泳を始めたのはいつもの東野圭吾にしてはハッピーエンド過ぎて逆に違和感を感じさせた。それと、作者は3.11大震災が起きたことで、大幅に修正、書き足したことがいつもの快調なテンポを狂わせたことだろう、と思った。夢幻花云々は多分、作者、東野圭吾の創作なのだろう、いくらネットなり、辞典で検索してもそれらしい表記には見当たらなかった。それにしても夢幻花という単語をこれだけ広めた東野圭吾はすごい、とも思った。
あと、途中でMM事件という表現が出てきて、米国の女優、マリリン・モンローであることが書かれていたが、マリリン・モンロ-が死んですでに50年が経過したことに改めて驚いた。
間違いがあり文章がメチャクチャです
批評するのならきちんと読み直してからにしてください
無責任です
一東野圭吾作品ファンとしてとても不快でした