鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

天は二物を与える?

2008-02-22 | Weblog
 21日は東京・赤坂のサントリーホールへNHK交響楽団の定期演奏会を聴きに行った。名古屋の友人が一緒に行きたい、というので、昨年末に席をとったのだが、所用で来れなくなり、かみさんと行った。サントリーホールでN響の演奏会を聴くには初めてのことで、ワクワクしていた。席は前から3番目の右端で、演奏者の顔がよく見えなかったが、サントリーホールだけに音だけは十二分に聴け、さすがN響といった感じであった。
 入口で渡されたパンフレットを見ると、指揮、オーボエ ハンスイェルク・シェレンベルガーとなっていて、解説文を読むと21年間ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のソロ・オーボエ奏者を務めた後に指揮者としての研鑽を積んだ、と書いてある。欧米では楽団員から指揮者になる例は珍しくないとか。今回、どんな指揮と演奏を見せてくれるのか、まさか指揮台の上でオーボエを吹くのではなかろう、と思っていたら、最初の曲目、モツアルトの「セレナード第10番変ロ長調K.361」では13人の演奏者と一緒に壇上に登場し、円形に座った一番左端に座り、全体をリードしながら、見事にオーボエを演奏した。
 同曲は短いながら第7楽章まである。オーボエだけでなくクラリネット、ファゴットなど管楽器ばかりの編成で、きれいで伸びのある音色をホール全体に響かせてくれた。
 休憩時間にくつろいでいたら、廊下を盲導犬を連れた老女が前を通っていった。ソフトバンクのコマーシャルではないが、犬までが音楽を聴くのか、と思った。犬は人間より耳は発達しているので、少なくともいい音楽か、そうではないかの見極めがつくのだろう。
 後半はモーツアルトの歌劇「イドメネオ」バレエ音楽K.367と同じくモーツアルトの交響曲第40番ト短調K.550で、こちらではハンスイェルク・シェレンベルガーは指揮台の上からタクトを振るった。曲目のせいか、タクトを振るテンポが早い感じがしたが、指揮をしている人が先ほどはオーボエの名演奏を聴かせてくれた、と思うとそれだけで指揮棒が素晴らしく思えてくるから不思議だ。
 天は二物を与えない、というのはこと天才には通じない、と思えてくる。
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