鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

1億6000万円もの夢車券が飛び出した「ビッグドリーム」に思うこと

2010-06-02 | Weblog
 あまり大きく報道されなかったが、先月末の競馬の日本ダービーの行われた30日に函館競輪場で1億6000万円にものぼるとんでもない車券の配当が出た。もちろん、ギャンブル史上最高の配当額で、競輪の後半4レースの1、2着を当てる、という「ビッグストリーム」車券でのこと。まさに夢の車券で、的中者は1人で、一人占めしたことになる、という。売り上げ低下に悩む日本中央競馬会(JRA)でも射幸性の高いこうした馬券の発売を検討している、と聞くが、宝くじのような偶然性に基づく馬券の発売は競馬ファンの離反を招くことになりかねない。
 「ビッグストリーム」は08年5月28日から、函館はじめ取手、立川、京王閣、一宮、名古屋、岐阜、四日市の全国8つの競輪場で発売されている車券で、インターネット会員のみ購入が可能だ、という。的中者がいなければキャリーオーバーして配当額は増えていく仕組みとなっている。これまで出た配当の最高は09年5月27日に立川競輪場で出た7693万4700円だった。函館競輪場ではこれまで一度も的中者がなくて、ずっとキャリーオーバーしていた、という。
 今回の1億5978万7340円の配当は167万9616分の1の確率が当たったもので、200円車券として購入された、という。競馬の場合は購入額100円に対する配当をいうが、これに準じれば今回の車券は798万9367倍の配当ということになる。
 競輪ではこの他に「チャリオット」という7レース続けて1着を当てる車券があり、これは08年6月5日に平塚競輪場で出た7969万8600円が最高の配当で、以後的中者がいなくて、現在のキャリーオーバー額は6億9064万3050円にまでのぼっている。キャリーオーバーは最高12億円までで打ち止めとなっているが、いまの感じだと最高額を更新しそうである。
 今回の配当を手にしたのは大阪の男性ということだが、この配当額に対しては雑所得として課税対象となるというから、所得税と住民税合わせて半分はもっていかれることになることだろう。
 JRAでも現在はコンピュータでの処理を行っているので、「ビッグドリーム」や「チャリオット」のように射幸性の高い馬券などいくらでも開発可能で、いつからでも発売できる。諸外国では複数レースにまたがった馬券はいろいろ発売されており、こうした高額配当はいくらでも出ているようだ。ただ、畜産振興というねらいからは大きく外れていくことになり、ギャンブルで身を持ち崩す人が多いという国民感情から、あまり射幸心をあおるような施策は歓迎されないことだろう。
 事実、三連複、三連単馬券を導入しても馬券そのものの売り上げ増加にはつながっていない。30日に行われた日本ダービーの売り上げは248億6374万6500円で、前年比1.3%となり、ピーク時の半分となった。ファンの射幸心をあおるのではなく、競馬ファンが喜ぶようなサービスを充実することが必要な時だろう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 緊張感走った姓名、生年月日... | トップ | 最初から最後まで宇宙人のま... »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事