鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

生まれて初めてのホタル狩り

2007-06-20 | Weblog
 考えてみれば、蛍なるものを生で見た記憶がないことに気がついて、近くにホタルの生息する場所がある、と聞いてかみさんと2人で懐中電灯を持って昨夕出かけた。溝ノ口からバスで初山なる停留所で降り、歩くこと3分くらいでめざす場所に着いた。小さな小川の脇に「飛森(とんもり)谷戸」なる看板が出ていて、小川沿いに2人くらいが通れる木道が作ってある。小川といっても両側はコンクリートで、およそホタルが生息している感じはない。それでも木道に沿って上流へ行くと、なるほどホタルが出そうな草木がおい茂っている場所にたどり着いた。橋ケタに「ホタルを捕らないで下さい」と書いた貼り紙が架けてあり、このあたりにホタルがいそうな感じではある。ただ、まだ日が落ちないので、ホタルは飛んでいない。
 すぐ裏に生田国際カントリークラブがあり、そこを覗いた後、午後7時半ころになったので、戻ってみたが、陽が落ちきらないせいか、一向にホタルが飛んでいる気配はない。場所が違うのか、と起点近くへ戻ってみるが、見かけない。地元の男性2人連れに出会ったので聞いてみると、今年は例年より早く、もう5月からホタルが飛んでいる、とのこと。場所はやはりさっきのあたりだ、という。
 で、戻ってみると、ホタルが一匹飛んでいた。遠目に光るものが軌跡を描いている。見ているうちに2匹、3匹とホタルが増えてきた。真っ暗な闇の中をホタルの光が飛び交う姿は幻想の世界へ誘ってくれる。これが自然のもたらす美しさなのだろう。思わず、手を出して捕まえたくなるが、それはまずい、と想い留まる。
 都会で生まれ育ったせいで、家の近くでホタルを見かけた記憶は一切ない。中学生の頃に夏、岐阜の山中へキキャンプに行った際にホタルを見に行こうとした記憶がうっすらとあるが、見たという記憶はない。だから、61歳にして初めてホタルを見たことになる。感激の一夜であった。最初はだれもいなかったのに、帰るころには人も増えてきて、さすがに近所の人はよく知っている、と思った。
 川崎の田園都市沿線に住んで30年近くになるが、その川崎でホタルが見られるなんて、いままで考えたこともなかった。ホタルを見てみよう、と思ったのも近在の人に聞いたからで、それまで見られるなんて思ってもみなかった。改めて自然に親しむ良さを思い知った。できれば、いつまでもこのホタルの生息地が保存されることを望みたい。
 
コメント (1)
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