鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

泥沼化する年金問題

2007-06-08 | Weblog
 ドイツのハイリゲンダムで初めてのサミットに出席して、すっかりご満悦の安倍晋三首相の帰国しての心中を推し量ると、スイフトのガリバー旅行記にあったような「目が醒めるとそこは別世界であった」ような気になったのと同じようなことがお膝元では起きている。思わず、浮かれている場合ではありませんよ、と言いたくなるような惨状ぶりである。参院選対策として、宙に浮いた5000万件の年金記録の照合を1年以内にやる、と宣言してサミットに旅立ったが、その後さらに1430万件の未電子化記録が新たに見つかるなどとんでもない事態に発展しているからだ。安倍首相は米ブッシュ、英ブレアと並んで、最後のサミット参加となるのは確実となったようでもある。
 年金問題の波紋はますます広がりつつある。自民党が作成したビラには5000万件の宙に浮いた記録の元となった年金番号の改訂を決めた時の厚生大臣は民主党の菅直人氏である、との表記があり、いかにも民主党が元凶であると主張がその後の調べで実はその時の厚生大臣は小泉純一郎前首相であったことがわかり、急遽撤回して、ビラを作り直した。
 そうこうするうちに新たに1430万件の年金未電子化データがあることが発覚し、柳沢伯夫厚労相は「5000万件に次ぐ優先度のある課題」として照合を急ぐことにしているが、果たして一年以内に年金データがクリアなものになるものなのか、こんな体たらくでは信用する国民は1人もいないことだろう。
 8日朝には村瀬清司社会保険庁長官自ら東京駅頭に立って職員総動員で、相談受付のビラを配布するなど国民の不安をなだめるのに必死な様子で、朝日新聞によると、社会保険庁の労働組合も残業や休日出勤を積極的に受け入れる方向で事にあたる方針を打ち出した。これだけ騒がれて初めて重い腰を上げた、といった感じで、いままで何をしていたのか、と問いたいくらいだ。普段からこうした姿勢で臨んでいれば、少しは展開も違っていたことだろう。
 この種のことが起きると、テレビ、新聞で連日報道され、対応策が一応出てくるが、人の噂も75日で、しばらくすると忘れ去られ、報道されなくまり、「そんなことがあったか」という程度になってしまうことがよくあるが、こと年金に限っては生活に直結する問題だけにそんなことのないように国民のだれしもが絶えずウオッチしていくことが大事であるのは言うまでもない。
 
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