prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「フライト・オブ・フェニックス」

2005年04月26日 | 映画
ロバート・アルドリッチ監督「飛べ! フェニックス」のリメーク。
墜落シーンの特殊効果はすごくて、尻がこそばゆくなるほど。
男ばかりのキャストだったのを、一人を女にしたのは可もなく不可もなし。
武器商人を絡めたのは余計。なんであんな金目のものなさそうな飛行機を襲う必要あるのかわからないし、人のいる場所から隔絶された感じが薄れた。
余計な人物が増えそうなのをあっさり殺して処理するのもひどい。

クズと呼ばれる連中ばかりが集まり、力を合わせて一つのことを成し遂げる話ではあるのだが、細部が微妙に裏切っている。オタクっぽい飛行機の設計家や重役などが自分を特別扱いするよう要求し、それが割とそのまま通って、アルドリッチの粘りと馬力は要求しないにせよ、嫌でも力を合わせないと助からないというぎりぎりの感じが出ていない。

クライマックスの構成・演出はかなり拙い。
まずフェニックス号が飛べるか飛べないかの瀬戸際に、武器商人が襲ってくるのを挟んで、ポイントがぼけてしまった。
あと、フェニックスが飛び立つより早くカメラが空中に飛び上がって上から撮影しているので、肝腎の飛び立つ瞬間の快感が薄れた。
ショーアップに傾いてドラマの論理を十分に把握していない演出。

元のハナシが面白いから、まあ面白くは見られるけれど、いじって悪くしているところが目立つ。
(☆☆★★★)



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