prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ライトハウス」

2021年07月30日 | 映画
オープニングから意識的にほぼ左右対称の構図を多用しているのだが、対称が少し破れているのがほとんど正方形のフレームだと二人の主演俳優の背丈の違い他で目立つ。

コントラストの強い白黒画面は表現主義から、孤島の話としてもベルイマンの「ペルソナ」「狼の時刻」まで思わせて、つまり二人の内面が溶け合う、あるいはアルターエゴのような妄想か強迫観念の映像化の面を持つ。

ウィレム·デフォーがシェイクスピアかと思うような音吐朗々な台詞術を披露して、ロバート·パティンソンが前半もっぱら奴隷のように酷使されるのを後半逆転していくのは若いし身体も大きいのも生かしてドラマの基本になる。

悪夢的な音響が秀逸。
半ば凶器のような19世紀の機械のでかくてごつくて生々しい質感や終盤の妄想的な展開と共に「イレイザーヘッド」を連想させる。






最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。