タイトルになっている「イーグル・アイ」というのが人の声と赤い丸い光の組み合わせ、というあたり、明らかに「2001年宇宙の旅」のHAL9000を思わせる。読唇術が使えるというあたりも、HALと同じ。
HALはディスカバリー号の内部のすべての情報を管理して安全を司っていたわけだが、そのうちシステム全体の安全を乗組員の安全より優先させて「暴走」する。イーグル・アイは似たようなシステム化が一般社会全体に及んだ状態ということになるだろう。
そしてシステム自体の自己保全の機能が粛々として人間個人をコマとして扱い利用するあたりも似たロジックの産物ということになる。
爆弾の音波を使った起爆装置を、国会での国歌吹奏に合わせて起動させようという趣向は、ヒッチコックの「知りすぎていた男」。
音楽でいうなら他の人のテーマを変奏曲として作り直すような創作。
双子だって生態認証は別のはずで、あのあたりはまことに雑。
(☆☆☆★)