prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「サヨナラの代わりに」

2015年12月25日 | 映画
難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)に襲われる女性(ヒラリー・スワンク)と介護する大学生(エミー・ロッサム)の話だが、介護者が素人でおよそ介護向きとは思えない奔放な性格というあたりは「最強のふたり」に似ている。

あれと同じように変に大事に扱われるのを拒否するのは一種のプライドとも思え、夫が浮気するのをすごく厳しくとっちめて追い出してしまうのも、浮気された怒ったというのは言い訳みたいなところがあって、迷惑をかけたくないという自負を、ヒラリー・スワンクが体が効かなくなる身体表現とともに自分でも必ずしもコントロールが効かなくなる感情表現を縦横にやってのける。

二人とも尊厳をもって扱われることを求め、同時に相手の尊厳を認めるようになるということだろう。

発作を起こすあたりで苦悶する声をなんべんも聞かさず、後の方では音を消す演出が効いている。ずうっと大学生が歌を作りかけては途中で投げ出していたので、これはラストで歌がかかるなと思うとその通りになるが、ここでエミー"オペラ座の怪人"ロッサムの歌唱力が全開になるあたりの音楽処理も巧い。

監督のジョージ・C・ウルフという人は舞台演出家で映画はこれが二本目だが、演技指導と音の処理に腕を見せる。
(☆☆☆★★)



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サヨナラの代わりに@ぴあ映画生活

映画『サヨナラの代わりに』 - シネマトゥデイ


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