オープニング、二人が見つめあっているところに無神経な第三者が割り込んでくるのはノエル・カワード&デヴィッド・リーンの「逢引き」だなと思わせる。
実際、いったん時間が戻ってふたりの間にどんないきさつがあったのか描いた後にこのシーンが繰り返され、その割り込みがどれだけの負担になったか、その反動で傍目にはわからないようにだが思い切った行動に出るあたり、「逢引き」と明らかに通じる。
投身自殺しかける「逢引き」ほどにはあからさまではないが、こちらの選択もそれなりに極めて厳しいものになるのが予想され、それだけの覚悟を固めているのに粛然とさせられる。
キャロルが同性愛の一方で自分の子供に惜しみなく愛情を注いでいるのが胸をうつ。
初めてデパートに買い物に来た時のケイト・ブランシェットの帽子とストールとマニキュアの色を合わせているところから色彩設計がすごい徹底している。
壁の色からルーニー・マーラの帽子の柄までどれだけ神経を使って色を合わせているのかと思う。全編にわたる息詰まるばかりの表現特に演技のデリカシー。
パトリシア・ハイスミスというと「残酷な娯しみ」の作家という印象だったのだが、こういう苦悩と屈折があっての反動かと思った。
(☆☆☆☆)
本ホームページ
キャロル 公式ホームページ
キャロル@ぴあ映画生活
映画『キャロル』 - シネマトゥデイ
実際、いったん時間が戻ってふたりの間にどんないきさつがあったのか描いた後にこのシーンが繰り返され、その割り込みがどれだけの負担になったか、その反動で傍目にはわからないようにだが思い切った行動に出るあたり、「逢引き」と明らかに通じる。
投身自殺しかける「逢引き」ほどにはあからさまではないが、こちらの選択もそれなりに極めて厳しいものになるのが予想され、それだけの覚悟を固めているのに粛然とさせられる。
キャロルが同性愛の一方で自分の子供に惜しみなく愛情を注いでいるのが胸をうつ。
初めてデパートに買い物に来た時のケイト・ブランシェットの帽子とストールとマニキュアの色を合わせているところから色彩設計がすごい徹底している。
壁の色からルーニー・マーラの帽子の柄までどれだけ神経を使って色を合わせているのかと思う。全編にわたる息詰まるばかりの表現特に演技のデリカシー。
パトリシア・ハイスミスというと「残酷な娯しみ」の作家という印象だったのだが、こういう苦悩と屈折があっての反動かと思った。
(☆☆☆☆)
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