prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「マップ・トゥ・ザ・スターズ」

2014年12月03日 | Weblog
クローネンバーグの前作「コズモポリス 」では全編リムジンの中の会話劇だったが、あそこで客席で運ばれる大金持ち役で主演したロバート・パティンソンが、ここではセレブを運ぶ運転手役をやるという一種セルフ・パロディみたいなことになっている。

正直いって、セレブの世界の腐敗といっても、特に今になってひどくなったのかどうか、ケネス・アンガーの「ハリウッド・バビロン」に描かれているように昔からそうだったし、ここで「悪い子守」という映画がリメイクされるように可愛げのない子供と子供に対する虐待というのは繰り返されてきたと思える。

あと現代のセレブというのが持っている富は昔よりはるかに多くなったにも関わらず、というかむしろだからこそ金の使い方がマンガ的でばかばかしく想像力を欠いて安っぽくなったと思えて、それほどのインパクトはなかった。
クローネンバーグが必ずしもハリウッド人種とはいえないせいもあるだろう。

ミア・ワシコウスカが変にセクシー。ハリウッドで暮らす父のもとに娘が転がり込んできて、という話はニール・サイモンの「映画に出たい!」(映画化タイトルは「わたしは女優志願」)みたいだが、ああいう人情劇には当然ならない。というか真逆。
精神的な問題を抱えて克服した人が治す側にまわることはあるが、この場合のセラピストの父親は一番治さなくてはいけない人みたい。
(☆☆☆★)


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