prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「犬猿」

2018年03月07日 | 映画
兄弟姉妹でまともに見えるのとクズがかっているのとがペアになっているようで、実はまともに見える方も相当なもの、というバランスのとり方の辛辣さと可笑しさは相当なもの。

ニッチェ江上敬子の丸い身体にまん丸な目をもっと丸くして顔を真っ赤にして怒鳴るあたりの迫力とおかしさ。
アイドルなのか女優なのか会社員なのか、どれも中途半端な筧美和子。
いかにもクズらしいクズな割にヤクザとしても迷惑がられている新井浩正。
まじめにサラリーマンやってますという顔している割に、というかだからこそ結構セコいエゴイズムをのぞかせる窪田正孝。
という具合に、どうしようもないキャラクターと関係の可笑しさと苦さとやりきれなさをないまぜて描くあたり、人間観察の焦点の深さは相当なもの。

あまりにきちんと対照的な構造をとっているので形式的・図式的な印象がかなり強いけれど、ディテールのあるある感がそれを補って余りありすぎるくらい。

性別が同じだから整頓された感じになっているが、これが性別の違う同士だったらどうだろう、もっとぐちゃぐちゃにならないかとかいろいろ想像したくなる。
(☆☆☆★★)

犬猿 公式ホームページ

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