prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そして」

2021年07月31日 | 映画
見ていてずいぶん居心地が悪くなった。今まで気にしないで、あるいは笑ってみていた「オカマ」系の映画のシーンがトランス当事者にとってはひどく侮辱的だったり屈辱的だったりしたことが当事者たちの口で語られるもので、いかにわかっていなかったか(自分ではそれほど差別意識があるとは思っていないので)知らされてかなり凹んだ。

昔の「アンクル・トムの小屋」が黒人奴隷問題の摘発の書として書かれたが、公民権運動から後では「アンクル・トム」というと白人におべっかを使う黒人という意味の蔑称になったような、差別に批判的なようで実は本質的には差別者のことを理解していない、好意的なようで誤解しているか理解不足なまま自分の“好意”の酔っていることがあるのを改めて知らせる。

いかにわかったつもりでわかっていなかったか。
そして本当に“わかる”などということがあるのかという疑問もあるが、そこに開き直るわけにはいかないだろう。